【ナベQがゆく×栗山巧】打席数少なくなったけど、責任重く 味方にも強がった/後編
日刊スポーツ客員評論家の渡辺久信氏(61=前西武GM)の「ナベQがゆく」がCS開幕を控えた10月8日、西武の本拠地ベルーナドームへ。そこにいたのは8月30日に引退試合を終えたばかりの栗山巧外野手(43)でした。前のめりでひざを突き合わせた2人の声が、ベルーナドームに響きわたりました。
プロ野球
★対談の主な内容
- 「クリしかいなかった」2番抜擢の狙い
- イケメン作戦でファンを増やした舞台裏
- 2ランより鳥肌が立った 押し出し四球の記憶
◆渡辺久信(わたなべ・ひさのぶ)1965年(昭40)8月2日生まれ、群馬県桐生市出身。前橋工から83年ドラフト1位で西武入団。最多勝3度、最高勝率1度、最多奪三振1度。96年6月11日オリックス戦で無安打無得点。ヤクルトを経て、台湾で選手兼任コーチを務め、01年現役引退。04年2軍投手コーチで西武復帰。08年から1軍監督。就任1年目で日本一となり、正力松太郎賞。13年まで監督を務め、19年からGM。24年途中に松井監督の休養を受け監督代行を兼任。同年限りで退団。185センチ、95キロ。右投げ右打ち。
◆栗山巧(くりやま・たくみ)1983年(昭58)9月3日、兵庫県生まれ。育英から01年ドラフト4巡目で西武入団。04年9月24日近鉄戦で初出場。07年から外野のレギュラーに定着。08年はリーグ最多安打を放ち、チームの日本一に貢献。21年に球団生え抜きでは初の通算2000安打達成。ベストナイン4度、ゴールデングラブ賞1度。177センチ、85キロ。右投げ左打ち。
早々から盛り上がった対談に、キンキンのコーヒーブレークが入った。2人もブラックだ。「ふぅ」とひと息ついて、再び渡辺氏が思い出を口にする。
渡辺引退会見の時も言ったと思うけどさ、監督になって最初に1番片岡、2番栗山を決めた。2番ってやっぱり一番難しい、制約のあるポジション。俺の中では現役時代に嫌な2番バッターが2人いたの。近鉄に新井(宏昌)さんっていう名球会にも入った人。あと知ってるかなあ、ドラちゃん。
ドラちゃん? ドラえもん? のび太のお母さんやしずかちゃんが呼ぶ時のドラえもんのこと?
渡辺南海のドラちゃん。山本和範さん。ドラキュラに似てるからドラちゃん。
栗山あぁ、なるほど。
渡辺新井さんとドラちゃんが大嫌いで。左で長打もあるし、バッティングいいし、作戦も行けるし、足もあるし。クリがもう、タイプ一緒だった。かぶっちゃった。クリが2番にいたら当然、片岡は走る。クリは2ストライクまで待っても勝負できるバッターってイメージでもいたしね。新井さんとかも走ってくるまで待って、そこから勝負してくるんだよ。だから、そういうイヤな2番っていうのは誰かなって思ったら、クリしかいなかった。
栗山いえ、正直、そんなこと、抜擢されてどうだとかって感じれるような選手ではなかったんで…。2番なら2番で、その役割をやればいいっていう。ただもちろん渡辺監督の初年度が僕のレギュラー1年目なんで、使ってほしいっていう気持ちもありましたし、これはチャンスだっていう気持ちもありましたし、そっちのワクワク感の方が強くって。最初の頃は2番打者について考えられる余裕はなかったんですけど…そこがスタートですもんね。感謝しています。
渡辺クリが実力あって、そこに定着したから、自分でつかみ取ったレギュラーだから。あとはさ、その時代、イケメン選手を売り出す方針があったよね。
丁寧に外角を攻めていた渡辺氏が、またいきなり内角を突いた。
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