幅広ヤマメ躍る 岐阜県高山市・庄川と一色川
2025年8月20日 05時05分
アユシーズン最盛期だが、増水後に一発大物が狙える渓流も気になる。飛騨の名手と岐阜県高山市荘川町の庄川漁協管内の庄川と支流の一色川に出掛けた。水量豊富な流れから天然ヤマメが次々と躍り出た。 (13日取材・柳沢研二)
後戻りは大変だ
取材依頼の電話をすると「ついにアユロードの庄川ですか。富山の川は数釣り勝負ですね。責任重大ですね」と切り出したのは下呂市の早川純弘さん(58)。各地の河川が増水しているため飛騨の渓流取材の旨をお伝えすると長い沈黙の後、「心の整理と道具の準備に時間がかかりそうです」とつぶやいた。
それでも待ち合わせ場所に時間通り現れた早川さん。牧戸地区から本流の川見をすると、50センチ高の水位だがアユの釣り人が何人かいた。掛かるシーンを見たら心が揺れ動きそうだった。「アユシーズンになると渓流のことは吹き飛んでしまい、なかなか後戻りできなくなるんですよ」とのつぶやきに同感だった。
荒食いの状態だ
水位が高いので一色川に向かい本流との合流点から1キロ上流を午前9時半から1時間探ったがヤマメ1匹のみ。さらに1キロほど上流に移動した。水位は30センチほど高く薄い濁りが入っていた。ミミズの餌を縫い刺しにして振り込む。目印を激しく揺らすアタリがあるものの早合わせで針に乗らない。
早川さんは「川虫での合わせの感覚が染み付いてしまって修正が難しいですね」と悩んでいるようだ。さらにアタリがあり、送り込んで遅合わせ。20センチサイズがヒットしてキャッチに成功した。背後にはミズナラやブナの森が迫り、大石が点在する流れで渓相はすばらしい。水温は15度でひんやりとする。同じポイントで立て続けにアタリがある。増水時によくある荒食いの状態だった。
銀色の魚体躍る
同じ深瀬の開きで気配を消して下流から振り込む。ポチョンと大きなミミズが着水して食い波には乗らずに表層の流れに押し流される。仕掛けを上げようとすると、それでも上流から黒い影が現れてパクリ。糸をゆるめるとモグモグ。もう少し待って合わせると針に乗った。20センチクラスが立て続けに3匹出た。
流す筋を変えると、今度は良型が銀色の魚体をくねらせながらきらめく。ここで合わせを入れたら針外れ。遅すぎてもいけないようだ。続いて早合わせでヒットした。「でかいよ」と竿をためながら下ったが針外れ。その後、さらに良型ヒットした。魚体をツイストしながら走り回るヤマメを追って回り込む。ゴボッと水面を割ったヤマメはやっとおとなしくなり、ゆっくりと玉網に収まった。
貴重な魚に感謝
ヒレピンで26センチのヤマメはふっくらとして体高があった。早川さんは「いや~びっくりしました。支流でこんなにいい魚に出合えるなんて」としみじみ。200メートルほどを2時間探っただけだが、25センチのイワナ交じりで17~26センチを12匹。リリースしたヤマメを入れれば20匹を超えていた。同漁協管内の渓流釣りは9月9日までで、以後は禁漁になる。ヤマメが中心だったが、いろいろなサイズが交じったので来シーズンも楽しみだ。
残り1時間は一発大物を期待して庄川の町屋橋上流300メートル付近を探ってみた。20センチ以下のヤマメは10匹上げたが、大型は不発で大半はリリースした。右岸筋に残りアカがあり、「アユがすぐにでも掛かりそうだね」とつぶやいた早川さん。心はアユだった。川沿いの休耕田にはソバの白い花が一面に咲いていた。早くも秋の気配が漂う山里を歩く早川さんの肩にトンボがとまった。次は「アユロード」でお願いします。
【早川さんのタックル】竿は硬調6.1メートル、天糸0.8号、道糸ハリス通し0.25号でいずれもナイロン。針V2ヤマメ6号、ナノヤマメ7号。ガン玉2Bと3Bを使い分けていた。本流は竿7メートルでガン玉は5Bまでを使用した。餌はミミズに加えてブドウ虫も試したが食いは変わらなかった。
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