都市対抗で優勝、西濃運輸・佐伯監督がみせた準々決勝での涙「リスペクトする相手にあの舞台ですごい試合ができて…」ついて行きたくなるリーダーが育てた日本一のチーム
2026年9月17日 20時00分
橋戸賞投手から優勝監督へ―。6日に幕を閉じた社会人野球の都市対抗大会で、西濃運輸(大垣市)が12年ぶり2度目の日本一に輝いた。就任5年目の佐伯尚治監督(43)は初優勝した2014年の決勝で完封し、MVPに当たる橋戸賞を受賞した当時のエース。「みんなに日本一にしてもらった。選手のときと違ううれしさがある」。2度目の優勝を決めた瞬間は歓喜の輪をつくるナインを見守りながら、ベンチ後方でスタッフ陣とともにひっそりと涙する姿が印象的だった。
実は大会中に流した涙は2度目だった。前回王者の王子(春日井市)と対戦した準々決勝。両チームから5本の本塁打が飛び出す壮絶な打ち合いを7―5で制し、王子の湯浅貴博監督(53)とあいさつを交わした場面だった。
「東海地区のチームと東京ドームで戦うのが初めてだったので。ましてや前年チャンピオンの王子さん。社会人の数あるチームの中で、うちの雰囲気と何となく似ている目標のチームで、湯浅監督にもかなりリスペクトしている。そういうチームとあの舞台ですごい試合ができて、勝ち切った選手たちを見ているとすごく感動した。すぐ泣いちゃうので、僕は」。冗談も交えつつ、涙の訳を語ってくれた。
日本一を経験したかつての大エースだが、指導については「僕は何もできない」と繰り返し口にした。投手の育成や起用についても堀田晃コーチに全幅の信頼を置く。大会中に中継ぎとして存在感を見せた2年目の川井瑠輝也投手は「監督が『川井をマウンドに上げた俺らが悪いから』と言ってくれる。自分はやるだけぶつかってみようという気持ちになれた」と感謝する。
相手へのリスペクトを忘れず、スタッフ陣や選手を信じて責任は全て背負う。プレーはしぶとく、ベンチはとにかく明るい。ついて行きたくなるリーダーがいたからこそ、西濃運輸という日本一のチームが育ったのだろう。 (アマチュア野球担当・石曽根和花)
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