「隠蔽」「監禁」…日本語の勉強法は『名探偵コナン』!? 日本ツアー引退のアン・ソンジュ、ダジャレも通じた飾らない人柄に記者たちも笑顔に
2026年10月20日 11時29分
◇ベテラン記者がつづる極上エピソード女王列伝 月橋文美のゴルフ『女王たちの流儀』アン・ソンジュ(特別編)
今週のマスターズGCレディースで日本ツアーを引退すると発表したアン・ソンジュさん。2010年から約10年間で通算28勝を挙げ、2010、2011、2014、2018年と4度の賞金女王に輝いた。2018年の同大会終了時点で永久シード権獲得まであと2勝と迫っていたし、ツアー撤退は寂しい限りだ。
05年韓国ツアー賞金ランク3位。同年日本ツアーQTで2位通過、そして2010年のデビュー戦で衝撃の初優勝を果たした。当時はもちろん、優勝インタビューも通訳付き。これがちょっと『いわく付き』だった。
本人はニコニコとたくさんしゃべっているのに、通訳の量が少ない。本人の表情を見ていると、なんだか砕けた話もしているような雰囲気なのだが、見て感じるのとは裏腹に優等生発言ばかりで、こちら報道陣としてはなんだか物足りない。
会見後、韓国語のわかるスタッフにその違和感を話すと、「もっと面白いこといっぱい言ってましたよ。だいぶ端折られた」とのこと。日本での第一印象を悪くしないようにとの忖度(そんたく)だったのか、アンさんの楽しいキャラクターを理解するまでにだいぶ時間がかかってしまった。
だが、半年もたった頃には本人の日本語がかなり上達。「最近は難しい言葉まで覚えて、こっちが驚かされたりするんでよ」とマネジャーからうれしい悲鳴⁈ も聞いた。
「テレビアニメで勉強してます。名探偵コナンが大好き」と話していた、当時のアンさん。「隠蔽(いんぺい)」「監禁」「脅迫」などなど、日常生活ではあまり使われない熟語を覚えては周囲を戸惑わせていた。
1年後には、インタビューは一人で受けられるようになっていたし、なんと日本語のダジャレまで理解するすごさ。アンさんを含む3人で話していた時、私がつい「もう霧はこれっキリにしてほしいね」的なくだらない言葉遊びを口走ると、ププッとウケてくれる。「えっ⁈ アンちゃん、今のダジャレわかるの?」と聞くと「わかりますよ! 私そういうの好きです」と褒めてもらったりして、ビックリした。
2014年中盤戦で1カ月ほど日本を空け、戻って来た時には「日本に戻ってきたら、自分の家みたいで楽しくできます」と日本ツアー愛も語ってくれていたアンさん。東日本大震災の際には1000万円の義援金を送り、東京での街頭募金活動にソウルから日帰りで参加。あの時の、大きなブタの貯金箱を持って声を張り上げていた姿は、プレーと同じくらい心に残っています。(月橋文美)
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