世界一の力持ちを目指した男が、晴れやかな表情でバーベルを置いた。重量挙げ男子でパリ五輪代表の村上英士朗(いちご)は、五輪後にメダルを目指して階級を下げ、約1年半で47キロの減量に挑んだ。しかし、体調不良や筋力の低下に苦しみ、31歳で現役引退を決断。「やり切るところまでやり切った」。最重量級で日本を代表するリフターとして歩んだ競技人生。「タンク村上」は家族とともに新たな一歩を踏み出した。