取材に応じる阪神・佐藤輝明=甲子園球場(撮影・中井誠) 阪神・佐藤輝明内野手(27)が21日、甲子園球場で球団にポスティングシステムでの米大リーグ移籍を容認されてから初めて取材に応じた。NPB史上9人目の三冠王として新天地に挑戦するスラッガーは「甲子園の大歓声は世界一。6年間、ファンの方に育てていただいたと言っても過言じゃない」と感謝した。
シックな黒のセットアップに身を包み、引き締まった表情で言葉を紡ぐ。抱いてきた夢への挑戦権をつかみ取った佐藤から真っ先に飛び出したのは、あふれんばかりの感謝だった。
「まずはポスティングを容認してくださった球団、関係者の皆さんに感謝の気持ちを伝えたい。入団したときからずっと大切に育てていただきました。どんなときも応援してくださったファンの皆さまにも心から感謝を伝えたいと思います」
2024年オフに直訴した、ポスティングシステムを利用しての米大リーグ挑戦。在籍6シーズンで3度の優勝に導き、今季はNPB史上9人目、球団では日本選手では初の三冠王に輝いた。圧倒的な実績を引っ提げ、自らの手で扉をこじ開けた。
ルーキーイヤーに衝撃を残した横浜スタジアムでの場外弾やメットライフでの1試合3発に始まり、昨年は大台の40本塁打を達成。6年間で架けたアーチは163本に及ぶ。数々の伝説を残してきたスラッガーは、印象的な思い出を問われ「甲子園の大歓声は本当に世界一。個人的には(20)23年の優勝のときが、すごい歓声で、あれはちょっと忘れられない。一番すごかったんじゃないですかね」。2ランをかっ飛ばして勝利を呼び込み、18年ぶりの悲願を達成した9月14日を思い起こし、穏やかな笑みを浮かべた。
すでに多数のメジャー球団が興味を示しており、激しい争奪戦が予想される。11月1日からポスティングシステムの申請が始まる。今オフは、米大リーグの現行の労使協定が12月1日に失効し、ロックアウトに突入する見通しのため、11月中に早期決着する可能性も考えられる。同月には移籍準備のために渡米も予定されている。
「良い時も悪い時も声援を送っていただいて、グラウンドに立つ度にそれが僕の力になりました。6年間、ファンの方に育てていただいたと言っても過言じゃない。本当に感謝しています」
取材対応後に嶌村球団本部長から「頑張ってこい」と背中を押されると「ありがとうございます!」と応え、がっちり握手を交わした。虎戦士として過ごした日々を糧に、ファンへの感謝を胸に、佐藤が世界へその名をとどろかせる。(秋葉元)
★Vパレードなど参加は状況次第
佐藤は今後、米大リーグ移籍への準備を最優先で進めていく。11月いっぱいは阪神の支配下選手ながら、来月21日にほっともっとフィールド神戸で行われるファン感謝デーや、優勝パレードとなる23日の御堂筋ランウェイ2026への参加は状況次第になりそうだ。
■佐藤 輝明(さとう・てるあき) 1999(平成11)年3月13日生まれ、27歳。兵庫・西宮市出身。仁川学院高から近大を経て2021年D1位で阪神入団。1年目から6年連続2桁本塁打を記録。25年は40本塁打、102打点で2冠を達成し、MVPに選ばれた。ベストナイン、ゴールデングラブ賞も初受賞。26年WBC日本代表。今季打率・306、39本塁打、106打点を記録し、三冠王に。年俸4億5000万円。187センチ、96キロ。右投げ左打ち。背番号「8」