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WBC敗退の数時間後に着信…井端監督が明かした“幻の勝因”と不屈の探求心「進化の過程を見極めるつもりです」

2026年3月24日 11時03分

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々決勝のベネズエラ戦で8回に追加点を奪われ、ベンチで厳しい表情を見せる井端監督


◇記者コラム「Free Talking」特別版
 ベネズエラが初優勝を遂げた今年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)、連覇を狙った野球日本代表「侍ジャパン」はベスト8で散った。第6回でワーストの結果だった中、侍ジャパンを取材した記者はどう受け止め、何を感じたのか。それぞれが独自の視点で振り返った。
   ◇  ◇
 井端監督から着信があったのは、敗退から数時間後のことだった。時差を考えればマイアミは明け方。一睡もできなかったのは、聞かなくても分かる。そんな愚問より、いや敗因よりも聞きたかったことがある。それは幻に終わった”勝因”についてだ。
 1点を追う3回。無死一塁から9番・若月(オリックス)に犠打を命じた。1番・大谷(ドジャース)は誰もが想像した通り、申告敬遠。だからこそ「なぜ?」だった。
 「(ベネズエラ先発左腕の)スアレス投手(レッドソックス)が右は変わらないのに、左だけ2巡目に被OPS(出塁率+長打率)が激増するんです。それと佐藤(輝)選手(阪神)の特長と相手の球種。それらを考えて、です。それが(右の鈴木〈カブス〉を2番に置いての)ジグザグじゃなく、佐藤選手を2番に置いた意図でした」
 今回の侍ジャパンには、過去にないほど能力、人数ともに豊富なアナリストをそろえていた。だが、自らの感性と経験を重んじるあまり、データを拒む優秀な野球人を僕は何人も見てきた。井端監督は違う。データと感性をうまく融合できる指導者だ。ダルビッシュ(パドレス)が自らのSNSに「ご自身が現役時代とは全く価値観も感覚も違う選手のことを理解しようと努力し…」とつづった理由もそこにある。
 同点打。さらに途中出場の森下(阪神)の勝ち越し3ラン。見てしびれ、理由を聞いてまたしびれ…。だって佐藤輝が打てずに負けていたら、それこそ非難の集中砲火は確実な決断だったから。しかし、勝因となることなく負けた。しょせんはタラレバ。継投の人選、チーム編成…。いろんな意見が飛び交っているのも知っている。残念。だけど納得。それが僕の感想だ。ガルシア(ロイヤルズ)の2ランで追い上げられ、アブレイユ(レッドソックス)の3ランで逆転され…。ベネズエラの個の力に屈した井端監督だが、この敗北は負けたままで終わる気はないと知ったからだ。
 「なんでああいう選手が育つのか…。育った後のメジャーリーグを見ても、それは分からない。だから”その前”を自分の目で見たいんです。それが3Aなのか、それとも2Aなのか。いろんな人とも相談して、進化の過程を見極めるつもりです」
 投打ともに大リーガーを重用した上での力負け。だからスモールに戻るのが、本当に正しい道なのか? 伝統と経験を軽んじず、新たなものも拒まないのが井端流。本当の敗因はあの日の継投ではなく、マイナーリーグに埋もれている。それを掘り起こすことが、未来の勝因へとつながるはずだ。(渋谷真)
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