阪神の“暗黒”からの脱却は「金本監督の時代からしっかり振れる打者を指名」中日は変革へのドラフト戦略を考えよ
2026年5月21日 09時39分
マラーをなぜ代えた。細川をどうして引っ込めた…。ちまたにそんな怒りが渦巻くのはよくわかる。プロ野球は結果が問われる世界だ。どんな根拠や言い分があろうとも、7点差をひっくり返されたら、何を言われても仕方ない。
7回のマラー降板時点で、まだ7―2だった。それを守れないブルペン、止められないベンチ。敗因はあちこちに落ちている。ただ、誰が打たれた、誰が打てなかったではなく、僕は敗戦の9時間ほど前の話を書く。岡山駅の新幹線ホームで、旧知の阪神球団職員と会った。1990年代の暗黒時代を知る古参の職員である。番記者として僕もどれくらい弱かったかは見てきた。だから聞いた。「どうすればいい?」と。わずかな時間に、彼はたくさんのことを話してくれた。
「一番変わったのはドラフトでしょうね。金本監督の時代に戦略が大きく変わりましたから。いわゆる助っ人に頼ることなく、しっかり振れる打者を指名してきましたから」
立石の昇格により、3番・森下から4人ドラ1が並ぶ。阪神自慢のカルテットである。そこからその職員はこう続けた。「誰かが抜けてもいいように、8人の野手を2パターンそろえられるように。それが理想の形として考えています」。この夜の悪夢は、まさにこの会話の通りだった。
流れが急変した7回。反撃の2点打を放ち、マラー降板に追い込んだのが坂本だった。8回にも清水から打って2安打、4打点。藤嶋から右前適時打を打ったのが嶋村、清水から同点打を打ったのは木浪。最後に決めたのは森下だが、途中出場の4選手に5安打、6打点を許したのだ。
離脱中の近本を含めたドラ1戦略が、阪神の強さの源なのは間違いないが、7位の高寺、育成出身の嶋村ら掘り出し物、いや職員の言葉を借りるなら「2パターン目」の選手が下から支えている。堪え難い悪夢。球団史に残るルーズベルトゲーム。そこから目を背けることなく、変革へのドラフト戦略を考えねばならない。
おすすめ情報


