大の里が、涙でたどり着いた復活の賜杯だった。左肩痛に苦しみ、2場所連続休場。不眠と体重減に耐えながら、横綱としての重圧と向き合った。秋場所千秋楽、安青錦との相星決戦で見せた低い重心からの突き出しは、15日間で最高の一番。1年ぶりの優勝は、ただの復活ではない。挫折と向き合い、師匠の助言を胸に刻み、もう一度強さを取り戻した26歳の「再生」の証しだった。

大相撲秋場所千秋楽で、安青錦(右)との相星決戦を制し、6場所ぶり6度目の優勝を決めた大の里=27日、東京・両国国技館
大相撲秋場所千秋楽で、安青錦(右)との相星決戦を制し、6場所ぶり6度目の優勝を決めた大の里=27日、東京・両国国技館

大の里泰輝(おおのさと・だいき)本名・中村泰輝。2000年6月7日、石川県津幡町出身。新潟・能生中に相撲留学し、海洋高に進学した。日体大では1年時に学生横綱、3、4年時はアマチュア横綱など個人14冠。二所ノ関部屋に入門し、23年夏場所に幕下10枚目格付け出しで初土俵。24年初場所新入幕。新小結の同年夏場所で初優勝。同年九州場所で大関昇進。25年名古屋場所で横綱昇進。優勝6回。殊勲賞2回、敢闘賞3回、技能賞3回。得意は突き、押し、右四つ、寄り。しこ名の由来は大正末期から昭和初期に活躍した小兵の名大関「大ノ里」から。趣味はスポーツ観戦(高校野球、阪神ファン)。家族は父、母、妹。190センチ、188キロ。

笑顔が消えた…「治らない。不安しかない」