巨人の新監督に松井秀喜氏(52)が就任した。日米で輝かしい実績を残した希代のスラッガーは、どのような指導者になるのだろうか。現役時代の松井氏は、野球に対する真摯な姿勢だけでなく、周囲への気配りや独自の人生観でも知られた。巨人、ヤンキースの担当記者として、その素顔に接してきたフリーライターの飯島智則が、取材を通じて見聞きしたエピソードを振り返りながら、新指揮官の野球観や人間性、そして目指す監督像を探る(文中は敬称略)
再び、私の悪い癖が湧き起こった。
松井秀喜が巨人の監督に就任する。それを知った瞬間から…いや、正確に言うと、5月に阿部慎之助監督が辞任した頃から、久しぶりに頭に浮かんだ考えを消せなくなっていた。
「松井が苦しむところを見たい」
初めての監督業である。戦力が整っていない巨人の現状を考えても、かなり苦労するだろうと予想できる。ましてや選手時代と違い、自身の努力だけで解決できる問題は少ない。
勝てないとき、思うような野球ができないとき、松井監督は一体どのような態度で選手やコーチに接するのだろうか。何を指示し、どのように乗り越えるのだろうか。



