名古屋も気になる秋

 【10月11日】

 TBS系「サンデーモーニング」に小笠原道大が初出演していた。ご存じ、愛称ガッツ。巨人時代のフルスイングは脅威でしかなかったが、こんな数字を紹介すれば、結構みんな驚く。

 甲子園で放った本塁打は2本。

 え?高校時代の?

 いえ、プロ野球です…

 というか、暁星国際高時代は無名でそもそも甲子園に出場していない。それどころか高校通算本塁打は0。しかし、社会人NTT関東で研鑽を積み、プロ野球の世界へ飛び込むと、努力の花が開花する。タイトルを数々獲って名球会入り。本塁打も掛布雅之より多い通算378本を放ってみせた。

 そんな大打者でも甲子園では通算わずか2本。左打者にとって西宮の浜風は悪魔になるというハナシだが、そういう意味でも、甲子園を本拠に2年連続本塁打王はエグい…あらためて佐藤輝明に「アッパレ」あげてください。

 輝って立派だなぁと思うのは、全39本塁打中、甲子園で14発放っていること。ビジターの狭い球場でも量産しているかと思えば、横浜で2本、東京ドームで4本。でっかいハコで打ってナンボ。彼がそう思っているかどうかは別にして、それはもう、海の向こうの評価がうなぎ上りになるのも頷ける。

 ハナシを小笠原に戻せば、無名だった彼がなぜプロで大成したのか、そこをみんな知りたい。現役時代の取材を思い返せば、もともと屈強さ、筋肉の強さは類い稀だった。本塁打0の高校時代も、例えばベンチプレスの重量は同年代で無双していたという。この筋肉に技術が伴えば化ける。周囲と指導者に恵まれた小笠原の成功物語をよく耳にしたが、あらためて、土台って大事なんだなと感じた次第です。

 パフォーマンスの土台となる筋肉といえば、阪神では石井大智や工藤泰成のそれがファンの間でも定着しているが、彼らも高校時代は無名。それでも、周囲と指導者に恵まれ…そんなことを綴っていると、ふと浮かぶ。CSに挑む直前に書くこっちゃないが、名古屋方面から聞こえてくる新指揮官、そのメソッドの記憶…。

 「工藤さんはとにかく選手に(ウェート)トレーニングを課す監督。『やった方がいいよ』じゃない。必須のメニュー。チーム全体が当たり前のようにトレーニングをやる。そこの意識の高まりもあって選手の体が大きく強くなって、よそと比べてパワーが違う。ホークスを見てそう感じませんか?」

 これは当時ソフトバンクのスタッフから直に聞いた話だけど、実はこれ、球界では有名。伝統は継承され、阪神は今年も交流戦でまざまざとパワーを見せつけられた格好だ。来年、竜の軍がそうなるのはちょっとイヤかも…。

 さて、藤川阪神は昨年の雪辱を期すべく、まずDeNAを迎え撃つことになった。やるじゃないか!度会隆輝。でもこっちのライトスタンドは遠いぞ。え~っと、今年は…うん、甲子園で本塁打0だな。よしよし…。え?東京ドームでも今年0本だった?それがCSで2戦2発?どうやらお祭り男を黙らせる必要がありそうだ。=敬称略=

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