149回目の意見交換

 【10月17日】

 相川亮二の友人から連絡があった。この日、朝のことだ。が、用件は相川やベイスターズにまつわる話ではなかった。阪神の佐藤輝明、森下翔太の故障が気になる様子だった。

 ロサンゼルス在住のこの方、河合直行といえば、MLBやNBAなど米国のスポーツ界、その大物のエージェントとして名を馳せ、日本球界では落合博満や清原和博ら数多レジェンドからの信頼も厚い。

 ベイスターズ新監督との親交はかれこれ20年近く。初見は相川が現役だった08年のオフ。海外FA権を行使した名捕手のMLB移籍が成立すれば、エージェント契約を結ぶ話が進んでいた。メジャーとの契約がまとまらず相川の夢は叶わなかったが、それでも両者の良縁は今も続いている。

 虎の主砲の体調について知りたかった河合に僕はうまく返答できなかった。ごめんなさい。というか、河合さん、最近相川監督とは?そう聞けば…

 「5月に横浜スタジアムでお会いしましたよ。妻も一緒に…」

 これがそのときの写真…

 あっ、書き忘れていた。河合の奥様はタレントで女優の森尾由美サン。米国で河合家とテーブルを囲んだこともあるが、美貌も、人柄も素晴らしく…って、きょうはその話は置いておく。

 横浜で河合夫妻との再会を喜んだ相川は新生ベイスターズを紹介した際にこう言ったという。

 「度会に注目しておいてください」

 さて、甲子園で藤川阪神の26年が終わった。博多のホテルをキャンセルしながら、プレーオフのベイスターズ、その強さを振り返ってみると、ここぞで起点になったのは度会隆輝だった。 ファーストSでは巨人相手に2戦2発。そして、この夜も九回、逆転の起点になったのは、1死一塁から度会が右へ転がした進塁打だった。本人は恐縮していたが、CS表彰選手に選ばれたのも十分うなずける。

 「全員で戦うと決めている。全員で戦って日本一を掴み取りたい」

 相川が勝利監督インタビューで何度も語ったこの「全員」という言葉。取材すれば、これもうなずけるのだ。

 この日の試合前、DeNAのベンチ裏ではミーティングが行われていた。何も特別なものではない。シーズン143試合、そして、CSの6試合…毎回だから今季149回目のミーティング。おそらく他球団と少し異なるのは、その「コンセプト」かもしれない。

 参加者は相川ら指導者、トレーナー、アナリスト…選手をのぞくスタッフ全員で、目の前の試合に向けて意見交換する。大前提は、各部門、互いの意見に上下、優劣をつけないこと。監督やコーチの見解を他のスタッフが無条件にのみ込む会は、意見「交換」とは呼べない。相川は「自分の認識が間違っていることもある。知らないこともたくさんある」と、オールオピニオン、リスペクトのスタンスだという。

 だから言う。「全員で戦う」

 DeNAが大事な秋にTGを圧倒できたのは、もしかしたら「全員」というその言葉の深みで敵陣を少し上回ったから…かもしれない。=敬称略=

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