セガサミー里見会長が語る企業スポーツのメリットとデメリット「スポーツは人の気持ちを一つにする」

[ 2026年9月2日 10:23 ]

セガサミーの里見会長
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 【大西純一の真相・深層】スポーツと企業の関係について、セガサミーホールディングスの里見治会長(84)の話は興味深かった。

 同社は05年8月に社会人野球チームを結成、都市対抗野球に14度出場し、ベスト4が3度、日本選手権は6度出場して14年に準優勝した。セ・リーグ首位打者にもなった宮崎敏郎(DeNA)らを輩出したが、ここ数年は都市対抗野球の本大会にも出場できなかったこともあって、今年いっぱいで活動を停止、医薬品卸大手アルフレッサと活動基盤の承継について協議を進めるという基本合意書締結を発表した。

 「もうちょっと上に行けるかと思ったが、ここ3年ぐらいは、都市対抗の本大会にも出られない。本大会に出ないと、みんなが応援する場がなくなる。約20年におよぶ運営の中で一定の役割を果たしてくれたこともあり、社会人野球はやめることにした」

 野球部創部の背景には会社の事情があった。04年10月にゲーム業界大手のセガと遊技機メーカー大手のサミーが経営統合し、セガサミーが誕生した。その時、「両社の文化が違う。共通で両方の社員が応援できるものはないかと考えた。私自身も野球が好きだし、社会人野球をやればセガの社員もサミーの社員も一緒になって応援できる。これをきっかけに、お互いが交流できればという思いだった」と里見会長は振り返る。

 東京都予選は東京ガス、NTT東日本、JR東日本など大企業が多い。セガサミーは会社は小さかったが、応援に駆け付ける人は多かった。「応援が外野席の近くまで入るほどだった。サミーとセガはまちがいなく一体感が出てきた」と、効果は大きかったという。
 里見会長自身も元高校球児で、獨協高校では投手兼一塁手。「球が速かったが、ちゃんとしたコーチがいなかったので、コントロールが悪く、内角はシュート回転した」。それでも東京都大会で何試合か勝ち進み、「強豪校相手に15個三振を取った記憶もある」という。肩を壊して、選手としては高校で終わったが、07年から北海道で長嶋さんの名前を冠した男子ツアーの「長嶋茂雄 INVITATIONAL セガサミーカップゴルフトーナメント」を開催するなど、長嶋茂雄さんや王貞治さんら、野球界の人との交流にもつながった。北海道でゴルフ場(ザ・ノースカントリーゴルフクラブ)も経営しているが、北海道は年間で約7カ月しか営業できない。従業員を通年で雇用するために、冬期にできるアクティビティーを考え、黒字化した。大会を開催することで、一流プロに「いいコースだね」とほめられ、従業員も士気が高まったという。

 選手だけでなく、見る人も、運営する人も含めて「スポーツは人の気持ちを一つにする力がある。素晴らしいものだと思う」と、魅力を語る。米大リーグ・ドジャースの大谷翔平の活躍など、日本中を元気にする。一方でチームの維持にはお金がかかることも指摘する。まとまった資金を投じて選手を集めれば優勝できて入場料やグッズ販売で利益を出せる。中途半端では人気も出ないし、利益も出ない。「プロスポーツチームであっても利益が出ているところは少ない。赤字を支えられる企業じゃないとチームは持てない」という。「やるなら全力で」と、企業の覚悟も求められるということだった。

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