日韓両チームの視点で振り返る アジア大会・野球決勝戦

[ 2026年10月6日 15:30 ]

 雨の中の熱戦となったアジア大会・決勝日韓戦(C)AINAGOC(提供写真)
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 【室井昌也コラム 月に2回は韓情移入】

 第20回アジア競技大会・野球競技決勝戦は9月27日、韓国が日本に3―1で勝利し、5大会連続の金メダルを獲得した。

 この両チームは決勝戦の2日前にスーパーラウンドで対戦。その時は日本が5―0で勝利した。侍ジャパン社会人野球代表の日本と、オールプロの韓国。決勝戦を両チームの視点で振り返る。

 韓国は日本に敗れた翌日、中国に勝って決勝進出と日本との再戦が決まった。

 その日の夜遅く、韓国の柳志炫(リュ・ジヒョン)監督はチームスタッフからの知らせに驚いた。日本の予告先発が韓国戦で7回を投げた左腕の樋口新(王子)だったからだ。

 「正直、中1日で投げてくるとは予想していませんでした」(柳監督)

 決勝戦。韓国打線は2日前に完璧に抑えられた樋口に対して、「アプローチの掛け方を変えてきた」と右翼手の水谷祥平(JR東海)は感じた。

 「前の試合はすごく前ではらって、空振りが多かったんですが、決勝では右バッターがこっち(右方向)を狙ってきていました。パンチ力がある選手が多いので、樋口も嫌だったと思います」

 2回表、韓国は6番尹橦熙(ユン・ドンヒ=ロッテ)が、その水谷の頭上を越える二塁打を放つ。

 続く文賢彬(ムン・ヒョンビン=ハンファ)は送りバントを試みるも、2球続けて失敗。しかしカウント1―2の6球目、レフトに適時打を放ち1点を先制する。

 さらに韓国ベンチは後続打者2人にも送りバントを指示。この試合で計6回バントのサインを出した。走者を一つでも前に進めたい切実さが見えたが、成功したのはわずか2回。1―0のまま試合は進んだ。

 韓国の先発投手は郭斌(クァク・ビン=斗山)。6回まで1安打2四球無失点と好投した。日本打線は1回、5回と先頭打者が出塁するも、韓国とは対照的に作戦を仕掛けることはなかった。その理由を川口朋保監督はこう話した。

 「郭斌のようないい投手だと、送りバントやヒットエンドランをしてもなかなか得点にはつながりません。それよりも自分たちのバッティングをしようというのが、侍ジャパン社会人代表として前任の石井(章夫)監督からやってきたことです」

 7回裏、日本はその攻めが実を結び、ヒット3本で1点を挙げて1―1の同点とする。

 しかし韓国は8回表、3番金倒永(キム・ドヨン=KIA)、4番文保景(ムン・ボギョン=LG)の連続適時打で3―1とした。韓国は2点のリードを2人の救援投手が守った。

 今大会、韓国のエース・郭斌はオープニングラウンドの台湾戦で6回無安打無失点。三振10個を奪った。決勝・日本戦でも7回途中4安打1失点、9奪三振と圧巻の投球を見せた。

 郭斌について韓国の主将・盧施煥(ノ・シファン=ハンファ)は「これだけ活躍したら神様だ」と言って笑った。

 敗れた日本で唯一の複数安打を放った水谷は韓国について「『同じ相手にはやられない』という気持ちと工夫が見られました」と話し、大会全体を振り返った。

 「社会人野球のことを広く知ってもらうという意気込みでみんなでやっていました。全勝で決勝戦まできて、最後に負けてしまったのが本当に悔しいです」

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