RAZOR 9周年ワンマンで交わした“円陣”の誓い─Zepp新宿での10周年への道標

[ 2025年12月1日 13:37 ]

【画像・写真1枚目】RAZOR 9周年ワンマンで交わした“円陣”の誓い─Zepp新宿での10周年への道標(撮影・菅沼 剛弘 / Takehiro Suganuma)
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 ロックバンド「RAZOR」が11月30日、東京・渋谷 WWW Xで結成9周年記念ワンマンライブを開催した。2016年のバンド始動日と同じ日付に集った5人と観客たち。轟音と静寂、そして覚悟が交錯した夜、彼らは18曲、約100分のステージで10周年へ向けた新たな戦いの狼煙(のろし)を上げた。(ヴィジュアル系特集取材班)

 この日の全てを締めくくった「PRIMARY」。そのイントロで、ボーカル猟牙、ギターの剣と衍龍、ベースIZAの4人が客席に背を向け、ドラムのNIKKYを囲むように顔を合わせた。9年間を共に泥臭く歩み、10年目へ踏み出すその一瞬、5人は互いの呼吸を、そして“生きた証”を確かめ合っていた。間奏で突き上げられた客席の「オイ!オイ!」の拳。ここから始まる10周年イヤーの号砲を告げるようだった。

 時間は開演直後へと巻き戻る。暗転と共に訪れた緊張感。1曲目「In CREATURE」の爆音が鳴り響く。白いベールと包帯マスクで顔を覆った異形の猟牙がステージに表すと歓声と悲鳴が入り交じる。それは“獣が目を覚ます”瞬間のようだった。ロングヘアの女性客たちが一斉に頭を振り乱し、フロアが波打つ。妖艶な笑みたたえてギターをかき鳴らす剣、鍛え抜かれた太い腕から鋭いピッキングを繰り出す衍龍、そして地を這うようなグルーヴを作るIZA、高速ツーバスを正確に刻むNIKKY。9年の歴史をオープニングから解き放った。

 「ブチ上がっていこう、渋谷ぁぁ!」。猟牙の一声で会場の温度が跳ね上がる。そして、曲間のMC、猟牙は言葉を発せず観客が推しのメンバーの名を呼ぶ。ステージに生まれた“空白”と客席のエネルギー。その緩急がさらなる熱量へと生まれ変わっていく。

 異様な熱が噴きだしたのは「HUMAN ANALOGY」だった。猟牙は顔を覆っていた包帯を剥ぎ取り、素顔を照明の下へ晒す。激しいロックサウンドの中に「ポク、ポク、ポク」という異質な音が混ざり始めた。木魚だ。さらに読経のような声が場内を浸食していく。曲が進むと、猟牙はマイクをくわえ、一心不乱に木魚を頭に打ち付ける。初見では狂気。だがそれは、年間に数多のライブを重ねてきたRAZORの表現そのものだった。「呼んでくれよ!」。猟牙の叫びは、どこまでも深く、真っ直ぐにファンの胸を貫いた。

 中盤の「UNION」では、「渋谷、ともに歌い叫ぼう!」というあおりに応え、フロア全体が上下に揺れる。剣が客席を指差せば、黄色い歓声が爆発する。本編ラスト間近の「脈動」。突き上げられる拳の数だけ、信頼があった。衍龍の刻むリフ、IZAの響かせる低音が、“9周年のRAZOR”を渋谷の夜に深く刻み込んでいく。

 アンコール。ステージに戻った猟牙がこの日最大のサプライズを発表した。

 「来年11月30日に10周年ライブをやります。久しぶりに大きめのキャパ、Zepp新宿でやらせていただきます」

 会場はこの日一番の歓声に包まれた。

 その祝福ムードの中、メンバー一人ずつマイクが向けられた。NIKKYは「9年、皆さんのおかげです」とシンプルに感謝を述べ、IZAは「組んだ当時は10年目なんて遠い話で想像できなかったけど、1年1年必死にやってきて、ようやく10年目が見えてきた」と感慨に浸った上で、体に鞭を打ちながら走り続けてきた日々の重みをにじませる。衍龍は「昨日、1年目からのインスタを見返して寝られなくなった」と笑いを誘いつつも、「根本は変わっていない」と静かな誇りを覗かせた。

 そして剣。Sadieと両方のバンドで活動する“二刀流ギタリスト”は「どちらのバンドも手を抜かない。休みを返上して曲を作っていく。すごいものを作ります。楽しみにしていてください」と予告。その言葉には、ライブに人生の全てを捧げる男の覚悟が宿っていた。

 最後、マイクを握った猟牙。2016年11月30日、新宿ReNYでの始動ワンマン。あれから今日まで、平坦な道などなかった。「長年応援してくれた人も、最近の人も、今日初めての人も、本当にありがとう。 俺にとって人生で一番長く続いてるバンドだ。長くやってると新しくファンになってくれる人も増えるし、いろんな出会いがあって嬉しい。これからもこの輪をもっと大きくするためにいろんな活動を頑張っていきます」。

 自分たちのライブに足を運んでくれた人たちに笑ってほしい、幸せになってほしい――。猟牙がこの日最後に発したメッセージは、仕事に、家庭に、日々の生活に闘う同世代のファンたちへの、最強のエールとして響いたはずだ。

 そして祝宴は「PRIMARY」で幕を閉じる。円陣を組むように顔を見合わせた5人の表情は、客席からは見えなかった。だが、そこには9年の結束と、まだ見ぬ10年分の希望が詰まっていた。渋谷から新宿へ。そして、メンバーとともにファンの10周年イヤーもまた、ここから始まる。

【セットリスト】 2025年11月30日(日)17時半開演 渋谷 WWW X
RAZOR 9th ANNIVERSARY ONEMAN TOUR IX - ninth

1.In CREATURE
2.美醜
3.MAD INVISIBLE
4.追憶の果てに眠れ
5.SILLAGE
6.limit
7.鉛.
8.UNION
9.HUMAN ANALOGY
10.NEW ANSWER
11.To PROCEED
12.DAMIAN FLY
13.脈動
【アンコール】
14.黒猫DOOM
15.BAD EVIDENCE
16.千年ノ色彩
17.埋葬
18.PRIMARY

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