市川中車 5月“歌舞伎町”で親子宙乗りを初披露へ 「澤瀉屋ここにあり!を体現」と気合

[ 2026年2月5日 16:35 ]

製作会見に出席した(左から)市川團子、市川中車
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 歌舞伎俳優の市川中車(60)と息子の團子(22)が5日、都内で歌舞伎町大歌舞伎 三代猿之助四十八撰の内「獨道中五十三驛(ひとりたびごじゅうさんつぎ)」(東京・THEATER MILANO―Za、5月3~26日)の製作発表会見を行った。

 中車は2幕目の「岡崎無量寺の場」で、十二単(ひとえ)をまとった猫の怪を初役で勤める。團子は常磐津を用いた3幕目の舞踊「写書東驛路」で弁天小僧菊之助、女芸者、船頭など13役の早替えに挑戦。それぞれ宙乗りも披露する。

 中車は「埋もれていた古狂言を復活させようと、父が1980年代に躍起になっていた演目のひとつ、『獨道中五十三驛』を、私と息子の團子でやらせていただきます。「泉下の父もきっと見守ってくれていると思う」と思いを明かした。

 演目は「東海道四谷怪談」を手がけた四世鶴屋南北の作品。京都を起点に江戸を目指しながら、五十三次の宿場でお家騒動を絡めた物語が展開されていく。1827年に江戸河原崎座で初演されたが、長く上演が途絶えていたものを、中車の父である、2代目市川猿翁さん(享年83歳)が1981年に東京・歌舞伎座で復活させた。
 会場となる、THEATER MILANO―Zaで宙乗りが行われるのは初めて。

 2023年の公演で宙乗りをした経験を持つ中車は「父は5000回以上、宙乗りをした。元々、宙乗りということを、歌舞伎ではあまりやらなかったことを復活させたのが父。では、なぜ復活させたのか。それはお客さんに喜んでいただきたいというあふれる思いがあったのだと思う」と説明。続けて、過去に上演したスーパー歌舞伎「ヤマトタケル」を引き合いに出すと、終盤にヤマトタケルが白鳥となって天に帰ろうとする場面で見せる宙乗りは「人間の思いが三次元に届くということ。それをお客さんに届けようとしたのが、(セリフにもあり、猿翁さんの口癖だった)『天かける心』。だと思う」と熱い思いを吐露した。

 宙乗りをしている時の心情については「100回以上お飛びになっている私の息子の方が…」と頷きながら聞いていた團子に水を向けると、会場には笑い声が起こっていた。

 ヤマトタケルとして、また昨年は家の芸でもある「義経千本桜」で宙乗りを披露した團子は「ヤマトタケルの時は)夕陽として飛んでいました」と説明。祖父がよく言っていたのは、ケレン(ケレン味)というのは 心理を伴わないと、ただの派手なもので終わってしまう。心理の部分を突っ込んでいかないといけない」と気を引き締めていた。

 團子は宙乗りと共に、13役の早替えにも臨む。「澤瀉屋の皆さんに助けていただくと思う。息を合わせて勤めれたらと思います」と決意をみなぎらせていた。

 取材後のフォトセッションで、ポスターと同じ化け猫・怪のポーズを求められた中車は、「演じる上で大事にしたい」と話していたチャーミングな笑顔で、サッと怪に変身。横にいた團子が同じように両手を広げようとすると「この人は二枚目だから、やらなくていい」と制する“父心”を見せていた。

 今回は新しい試みとして人気声優が日替わりで歌舞伎の朗読を行う「こえかぶ」も導入される。

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