【王将戦】永瀬九段 174分大長考 悩み抜いた58手目 ノータイム指し一転

[ 2026年3月26日 05:30 ]

第75期王将戦7番勝負第7局第1日 ( 2026年3月25日    大阪府高槻市 関西将棋会館 )

封じ手を記入し対局室に戻る永瀬拓矢九段(撮影・会津 智海)
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 藤井聡太王将(23)=名人含む6冠=に永瀬拓矢九段(33)が挑む将棋の第75期王将戦(特別協力・スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社)7番勝負最終第7局は25日、大阪府高槻市の関西将棋会館で第1日を行い、後手の永瀬が58手目を大長考の末に封じて指し掛けた。両者3勝3敗で迎えた決着局。藤井の5連覇か、永瀬の初戴冠か。注目の一番は26日午前9時に再開する。

 何かしらの変調か?振り駒で後手番となりながら、得意のノータイム指しで序盤を駆け抜けた永瀬の手がぱたりと止まった。

 午後3時過ぎ、藤井に▲3五歩と指された直後の58手目。挑戦者が長考に沈む。盤面をにらみつけながら指し手を読みふけるのではなく、虚を突かれたような反応だ。「思ったよりも違う展開になったと感じたのでは」とは立会の桐山清澄九段(78)の分析だ。

 第6局に続き、仕掛けは早かった。開局から1時間経過時点の40手目に△7五歩(第1図)で突っかける。モニターを見つめる糸谷哲郎八段(37)が「これは早い」とうなるほどの速攻だ。この時点での消費時間はたったの3分。明らかに研究済みの一手。

 桂損の見返りに56手目で△4九角成と馬をつくったまでは予定通りだろう。藤井との消費時間差はなんと2時間20分。だがその後に誤算を発見したのか。首をかしげて天井に視線を送ったかと思えば、頭(こうべ)を垂れて固まる場面も。脇息(きょうそく)に体を預け、頭を抱えるポーズからは、困惑の空気感が漂う。2時間54分かけた封じ手により、時間差の大量リードは一気に失われた。

 名古屋での前局から中5日。この間、対局のなかった藤井に対し永瀬は22日に竜王戦の長丁場を戦っている。強者の宿命でもある過密日程には「私と藤井さん、伊藤匠2冠以外の棋士なら倒れてます」と半ば諦めの境地だ。「将棋の体力はありますから」と自らを鼓舞して臨んでいる最終決戦。歯を食いしばって戦い抜くしかない。(我満 晴朗)

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