クールな黄色は、誰より泥臭い――髙橋來都葉が届けるPalette Paradeの「全力さ」

[ 2026年7月29日 12:05 ]

【画像・写真2枚目】 30秒の沈黙の先に見つけた「居場所」――Palette Parade髙橋來都葉の声をほどいた夏の夜
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 7人組アイドルグループ「Palette Parade」が9月8日に開催する5周年公演「だから僕らは色を重ねる」に向け、髙橋來都葉のソロインタビューを3部作で公開する。第2部では、苦手な街頭での声かけ、メンバーと過ごす素顔、客席へ向けるまなざしから、グループの中で輝く“黄色”の輪郭に迫る。(推し面取材班)

 6月4日夜、JR新宿駅前。帰路につく人々の流れは止まらない。

 足早に通り過ぎる背中へ、髙橋はティッシュを差し出していた。初対面の相手へ自分から声をかけることは、得意ではない。

 「都内の方って急いで歩いてるから、簡潔にまとめなきゃと思って」

 言葉を短くしようとするほど、口調は少し速くなった。

 「Palette Paradeです!全国ツアーしてます!ぜひ気になったら、少しでもいいので見てみてください!」

 緊張が消えたわけではない。早口のままでも、グループ名だけは人波の向こうへ残そうとした。

 6月13日ツアーファイナルを前に行われたティッシュ配り。ファンも街頭へ足を運び、「頑張って渡してるじゃん」と声をかけた。髙橋は、その言葉を思い出しながら「ありがとね」と小さく笑う。

 受け取った通行人の中には、足を止める人もいた。「チケットはいくらですか?」と尋ねる声も返ってきた。

 「そういう一つ一つの積み重ねが、ライブの熱量につながっていくので」

 一枚の紙が、すぐに客席を埋めるわけではない。それでも、知らなかった名前を知る入口にはなる。

 パレパレの魅力を、「楽曲がいい」「可愛い」以外の言葉で表すなら何か。

 髙橋の答えは短かった。

 「全力さです」

 ステージでは、7人が身体を使い切る。楽屋へ戻れば、それぞれ異なる性格のまま、友人のように言葉を交わす。「メンバーってよりかは、本当に仲がいい友達みたいな感覚なんです」。同じ人物になる必要はない。違う色を重ねたまま、同じステージへ向かえる。足が止まりそうな時、次の一歩をつくるのも、その関係だった。

 「つらいことがあっても、『このメンバーとずっと一緒にいたいから、まだまだ頑張ってやっていこう』って気持ちになります」

 ライブでマイクを握る時、最初に浮かぶのは、客席がそこへ来るまでに重ねた選択だという。仕事や予定がある。数え切れないほどのライブがある。その中からパレパレを選び、会場まで足を運んだ人がいる。

 「来てくれたからには後悔してほしくないし、『楽しかった、また来たい』って思ってもらいたい」

 街頭では、選んでもらうために名前を届ける。ステージでは、選んでくれた一日に全身で返す。

 その姿だけを見れば、黄色の印象は真っすぐな明るさに思える。だが、本人に自身の色を尋ねると、視線がわずかに宙を泳いだ。

 「うーん、どういう感じなんだろう、自分って?」

 周囲からは「クール」「ポーカーフェイス」と言われる。話してみれば言葉は尽きず、メンバーからは「ギャル」と呼ばれる。

 「自分ではそんなつもりないんですけど(笑)」

 遠くから見ると静かで、近づくほど騒がしい黄色である。

 昨年11月、スポニチ東京本社での取材でも、その片鱗は十分に出ていた。インタビュー後、当時の新曲「atelier」の動画コメントを撮影した時のこと。「ありのままの自分でいいんだよ」というメッセージを、言葉だけで終わらせる気はなかったらしい。

 両手を左右へ伸ばし、両足も限界まで開く。全身で完成させたのは、見事な「大」の字だった。

 隣にいたメンバーから、遠慮のない失笑が漏れる。それでも手足は引っ込まない。カメラへ顔を向け、最後までやり切った者だけが許されるドヤ顔を決めた。

 その日の来社ノートにも、グループ内での立ち位置が残っている。描かれた髙橋の頬には、葵うたの手による猫のヒゲ。クールな横顔も、メンバーの筆先にかかれば数秒で猫になる。抗議の跡は、どこにも見当たらない。

 全身で「大」の字をつくることも、頬にヒゲを足されることも、髙橋の中ではグループへの貢献に数えられていないらしい。

 ライブや仕事で、自分の色に輝けていると思う瞬間を尋ねると、それまで浮かんでいた笑みが一度消えた。

 「あまりパレパレとして貢献できていないと思ってるんです」

 街頭で声を出す。客席の選択へ全力で返す。楽屋では、失笑もいたずら書きも引き受ける。それでも、黄色の瞳が見ている目盛りは、もっと先にある。

 「だから、自分の個性を生かしてパレパレに貢献したいんです。これから輝きたいです」

 すでに輝いている、という言葉で塗り替える必要はない。まだ足りないと考えるから、苦手な場所にも立つ。

 「Palette Paradeです!」。急ぎ足の人波へ投げた声は、少し早口だった。

 一つのティッシュだけでは、景色は変わらないかもしれない。だから、もう一つを差し出す。クールに見える黄色担当は、泥臭く、目の前の一人へ伸び続ける。その一つ一つが重なる先で、Palette Paradeの7色は、昨日より少しだけ遠くまで届いていく。

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