福岡の「ラジオの顔」栗田善成さん死去 87歳 50年以上活躍 冠番組多数…ローカルタレントの草分け

[ 2026年8月13日 08:31 ]

KBCラジオ公式X(@kbc_radio)が栗田善成さん追悼

 福岡のローカルタレントの草分けとして半世紀にわたり活躍したタレントで、ラジオパーソナリティーの栗田善成さんが5日未明、老衰のため死去した。87歳。所属事務所のBIGMOUTHが12日、発表した。通夜、葬儀は故人の遺志により近親者のみで執り行ったという。

 栗田さんは1938年10月6日、満州・奉天生まれ。終戦後に秋田へ引き揚げ、秋田高校を卒業後、日本大学芸術学部放送学科に進学した。在学中にテレビ番組やCM制作で知られた三木鶏郎氏の門下生となり、卒業後は三木氏が主宰し、永六輔氏が社長を務めた「冗談工房」でCMプロデューサーとして活動した。

 同社の解散を機に27歳で東京にCM音楽制作会社を設立。プロデューサー、コピーライターとして活動した後、会社を後輩に譲り、1969年に福岡へ移住した。

 福岡ではCM制作や企業ブランディング、ラジオ番組の脚本など「言葉の仕事」に携わった。共同プロデュースしたローカルCM「博多ぶらぶら」で披露した美声と話術が放送関係者の目に留まり、1971年から本格的にラジオパーソナリティーとして活動。福岡のローカルタレントの先駆けとなった。

 1973年の「夜のぐうたらショー」で注目を集め、75年にはKBCラジオで「栗田善成のまずはラジオでおつかれさん」がスタート。独自の視点で世相を切り取り、温かみのある軽妙なトークでサラリーマン層を中心に人気を集めた。番組は通算約21年にわたる同局の看板番組となった。

 その後も「栗田善成の元祖ラジオ本舗」「栗田善成のそんなバナナ塾」「まいど!栗田商店です!!」「栗田善成の土曜娯楽版」など、数々の番組を担当。KBCラジオの「顔」として長く親しまれた。

 2021年3月、「栗田善成の土曜娯楽版」の終了をもって50年に及ぶマイク人生に幕を下ろし、83歳で引退した。地元テレビCMにも多数出演し、「博多ぶらぶら」「葉隠の天ぷらうどん」などのCM制作にも携わったほか、自身も「みぞえ住宅」「西部ガス」「サントリー角瓶」「味の素マヨネーズ」などに出演した。

 長男の善太郎氏もタレント、パーソナリティーとして活動しており、栗田さんは福岡の放送文化に大きな足跡を残した。

 KBCラジオは13日、公式Xで訃報を伝え、「長きにわたりKBCラジオの顔として親しまれた」と追悼。「温かいお人柄と軽妙なトークでリスナーの皆様の日常に寄り添い続けてくださいました」と功績をたたえた。番組制作の現場でも多くの後進を育て、「現在のKBCラジオの基礎を築き上げていただきました」と感謝を示した。

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