柳亭小痴楽&蝶花楼桃花 「深夜寄席」を支援 「先輩を雑巾のように」

[ 2026年8月13日 09:00 ]

「深夜寄席」を支援する柳亭小痴楽と蝶花楼桃花
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 【牧 元一の孤人焦点】人気落語家の柳亭小痴楽と蝶花楼桃花が、二つ目たちの飛躍の場となる「深夜寄席」の毎週末開催に向けて尽力している。東京・新宿末廣亭で8月15日から3週連続で特別公演が開催され、池袋演芸場での毎月第2土曜開催のプレ公演が9月5日、初回公演が12日に行われる。経緯や今後の課題を2人に尋ねた。

 ──今回の深夜寄席の進展に先駆けて2月に上野の鈴本演芸場で「早朝寄席」が復活しました。

 桃花 あの頃、個人的に兄さん(小痴楽)に相談していたんです。2人でコソコソ話していて、私が「今が変える時期だと思うんです」と思いを伝えると、兄さんは深夜寄席の話をしてくれて、それが少しずつ形になっていきました。

 ──小痴楽さんは落語芸術協会、桃花さんは落語協会で所属が違いますね。

 桃花 深夜寄席は両協会が一緒にやらないといけない企画だと考えて、私が話しやすい人、兄さんに相談しました。

 小痴楽 桃花さんは企画をまとめる力が抜群。プロデュースがうまい。僕も先のことをいろいろ考えるのは好きだけれど、桃花さんのやり方はかなり勉強になります。それができる人は少ないし、本来はやる必要もない。でも、今はそれを誰かがやらないといけない状況になってきている。そういう重荷を桃花さんは平気で背負ってくれる。それでいて連日ネタおろしをするような企画をやって自分に負荷をかけている。恋愛をする時間がないんだろうな…と思います。

 桃花 そんなまとめ方あり?(笑)

 小痴楽 「こういう企画に加わらせてくれてありがとうございます」という思いがあります。僕は桃花さんのように人をまとめられない。黙らせることはできるけれど(笑)。二つ目の子たちと打ち合わせをした時、桃花さんのことを学校の先生みたいに感じました。「こうしなさい」じゃなく「これを考えてみよう」と話をうまく運んでいく。僕は気が短いから、彼らが愚痴みたいな話を始めると「それはこの後、飲みながら話そう」と思っちゃう。

 桃花 いいタッグです。私には兄さんのような存在感と人望がない。兄さんは私が持っていないものを全て持っていて、頼りにしています。

 小痴楽 僕らは乗っている船、目指している島が同じなんだと思います。

 ──小痴楽さん、ゲストの桂宮治さんが出演する8月15日、桃花さん、ゲストの春風亭一之輔さんが出演する22日のチケットが既に完売するなど人気です。ただ、かつてのように毎週末恒例で深夜寄席を続けて行くとなると課題があると思います。

 小痴楽 10年前、7年前、僕らの世代は、ぴっかり☆(桃花)、鯉八、宮治がいて注目してもらっていました。注目されている人間ができることと、まだ注目されていない人間ができることは全く違う。今の子たちに「落語を信じろ。自分を信じろ。稽古すればいい」なんて言っても仕方ない。それは当たり前のことで、それ以上のことを考えないといけない。今後どうするか?難しいところです。

 桃花 私たちの頃は二つ目ブームみたいに言われていて、伯山さんのような突出したスターも近くにいました。恵まれた世代です。でも、今も、一花さんのようなスターが生まれています。勢いのある人と盛り上げて行ければと思います。

 小痴楽 見てもらえば面白い人材が両協会にいるけれど、今の時代、突出するのは難しい。そこをどうするか?企画ものが良いのか?でも、企画に頼れば本末転倒になってしまう。

 ──深夜寄席は二つ目の研さんの場ですからね。

 桃花 出演するのは4人。毎回ゲストを呼んで企画をやっていくと、やがてネタが尽きて失速する。そうはなってほしくない。二つ目の4人がしっかり落語をやるシンプルな深夜寄席を定着させていくことが大切だと思います。

 小痴楽 まずは宣伝が大事でしょう。先輩たちを雑巾のように使ってお客さんを呼ぶ(笑)。例えば両協会の理事たちに深夜寄席の思い出を語ってもらって、それをショート動画にして流すとか。

 桃花 師匠たちが「深夜寄席ですべった」という噺にあえて挑むとか。宣伝に先輩を使うのはいいと思います。

 ──出演する二つ目の皆さんが毎回、先輩方を訪ねてショート動画を作り、それを事前に宣伝として発信したり、高座の内容に生かしたりするのは確かに効果的かもしれませんね。

 桃花 最初の1年はそういうことを続けるのもいいかもしれません。

 小痴楽 僕らの頃は今みたいにSNSが盛んじゃなかった。昔より今の方がお客さんに目を向けてもらいやすい状況になっています。全員が広報として何か考えて発信していってほしい。

 桃花 足りない部分は「雑巾のように」と言った兄さんをうまく使えばいい(笑)

 小痴楽 搾りかすも出ないくらいにね(笑)

 桃花 私もできることはやります。

 ◆牧 元一(まき・もとかず) スポーツニッポン新聞社編集局文化社会部。テレビやラジオ、音楽、釣りなどを担当。

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