宮澤美保「ひきこもり」支援者演じた主演映画撮影後、自身がひきこもりに 「決して遠い話じゃない」

[ 2026年10月3日 08:00 ]

本紙のインタビューに応じた宮澤美保
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 女優の宮澤美保(52)が主演し、夫の深川栄洋監督(50)がメガホンを取った自主映画が注目を集めている。2日に公開された「あなたの息子ひき出します!」で、ひきこもり支援を行う主人公の重大な決断を描く社会派作品。日々の事件などから着想を得た深川監督が、10年の時を経て作り上げた意欲作だ。主演だけでなく、プロデューサーとして裏方業務もこなしてきた宮澤が本紙のインタビューに応じ「自分だったらどうするか、もし家族がその立場だったらどうするか、登場人物の気持ちになって考えてみてほしい」と作品に込めた思いを語った。

 「ひきこもり」をテーマにした作品だが、そこに至るまでの経緯は人それぞれ。作中には犯罪を犯してしまった者、小児性愛者も登場し、それを取り巻く人々の葛藤が描かれる。彼らの孤立や社会復帰に向けた奮闘など、現代社会のありかたに一石を投じる作品だ。「今までは“映画がヒットしたらいいな”とか、“自分がもっと有名になったらいいな”という思いがあった。でも今作はそれ以上に、皆さんに“知ってほしい”という思いが大きい。大げさじゃなく“伝えなきゃ”って思っているんです」。

 映画の完成までは順調な道のりではなかった。社会のリアルを描いた重厚な内容から、商業映画として公に製作することに難色を示した出資者が撮影1カ月前に辞退。当初のプロデューサーも作品から離れてしまった。

 大森南朋(54)、平野ノラ(47)らメインキャストが決定していた中での急展開。それでも宮澤と深川監督は「これを生み出した以上、どうしても形にしたかった」と製作の継続を決めた。資金捻出のため私財を投じ、足りない分は借金までして補った。「“この映画が最後になるかもしれない”という思いで」とダメ元でオファーを送り、深川監督が過去に現場をともにした天海祐希(59)、生瀬勝久(65)、柄本明(77)、江口のりこ(46)ら大物俳優の出演が実現。自主映画とは思えないほどの豪華キャスト陣が完成した。

 無事に撮影が終わったが、宮澤の身にまさかの出来事が起こる。「ひきこもり」の作品を撮り終えた後、自身が「ひきこもり」になってしまったのだ。「半年ぐらい、全く外に出られませんでした。撮影が終わって、プツッと切れた瞬間、一人ぼっちになったんです」。クランクアップから1カ月ほど経ち、天海や江口の出演舞台、平野のライブを観劇すると「置いていかれた感」を感じたという。「みんながだんだん他の仕事に戻って活躍している中、私はプロデューサーとして、経理や地味な作業をしている。みんなが次の仕事に向かっている中、“置いていかれた感”がすごかったんです」。

 メンタルクリニックで処方された薬や、映画の公開が近づき自身が稼働せざるを得ない状況になったことで快方に向かったが「ひきこもりや心の病って、何歳からでもなる。決して遠い話じゃない」と、身をもってその身近さを体感した。

 「見た皆さんの意見が分かれると思う」と宮澤自身も認める今作。「煮え切らなかった気持ちとか、ちょっと傷ついた気持ちだったり、見た皆さんのモヤモヤを解いていかなきゃ」と、公開後も自ら劇場に足を運び、観客と意見を交わすことを決めている。「いろいろな方に見てほしいですが、私としては子育てをされている方や、これからお母さんお父さんになる方に見てほしい。この作品は絶対に気晴らしにならないですが、“知っておいてほしいな”ということがある」と力を込めた。

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