WBC連覇逃した侍ジャパン、トラッキングデータから考える敗因… 大谷翔平をめぐる前回大会からの変化
2026年3月27日 10時44分
ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)では、前回2023年大会から、MLBデータサイト「Baseball Savant」で、詳細なトラッキングデータを公開している。野球日本代表「侍ジャパン」は今大会、初めて8強で敗退。敗因を分析するのは簡単ではないが、前回と今回で異なった部分を調べてみた。
顕著だったのは球速。前回大会で侍ジャパン投手陣の直球(フォーシーム)の球速は全出場チーム1位の153・7キロ。先発投手の個人ランキングでは1位が佐々木朗希投手(当時ロッテ)の161・4キロ、2位が当時はエンゼルスだった大谷翔平投手の158・5キロでチームを引っ張った。
しかし、今大会はチーム平均が152・2キロで5位。先発投手の個人ランキングも菊池雄星投手(エンゼルス)の7位、154・7キロが日本選手最高位だった。出場投手全体のレベルが上がった上、侍ジャパンは佐々木の不参加や大谷が打者専念と逆境が多かった。不慣れなピッチクロック、ピッチコム導入も背景にあったかもしれない。
攻撃面では、1打席あたりで、本塁打になりやすいバレルゾーン(打球速度158キロ以上、角度26~30度など)に打球が飛ぶ割合(バレル率=Barrel%/PA)が前回大会の侍ジャパンは5・0で7位だった。試合数が異なるため単純比較はできないが、今大会の侍ジャパンのバレル率は9・3で2位と大幅に向上。1位だったドミニカ共和国の10・1には及ばなかったが、優勝したベネズエラ、準優勝の米国を上回った。
一般的に10以上で優秀とされ、大谷が個人ランキング1位の33・3と圧倒的な数値を残した。他に村上宗隆(ホワイトソックス)14・3、鈴木誠也(カブス)13・3などチームで計5人が10以上を記録した。
たとえトラッキングデータが優秀でも、得点できるかどうかは偶然や采配などの要素に左右される。直球の最速が120キロ台でも巧みな投球術で8イニングを無失点と圧倒的な成績を残したチェコ代表のサトリアのような例もある。数値上は、前回大会は大谷と佐々木、今大会は大谷におんぶに抱っこだった状況が浮かび上がる。月並みな感想となるが、チーム全体のレベルアップが求められている。(一般スポーツ担当・瀬田貴嗣)
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