大会直前の器具破損に見舞われた前回の雪辱期す 走り幅跳びの鈴鹿出身・稲垣克明選手「アジア記録を更新する跳躍でメダルを」
2026年10月14日 05時10分 (10月19日 10時39分更新)
【連載】超える 愛知・名古屋アジアパラ大会
18日の開幕まで1週間を切ったアジア最大のパラスポーツの祭典「愛知・名古屋アジアパラ大会」。県勢は陸上競技と卓球、射撃で計6人が大舞台に臨む。日々の努力で自らを磨き、限界を「超える」活躍でメダルを目指す選手たちを紹介する。
(1)大会直前の器具破損に見舞われた前回の雪辱期す 走り幅跳びの鈴鹿出身・稲垣克明選手「アジア記録を更新する跳躍でメダルを」(この記事)
(2)持病は進行性、それでも狙うは自己ベスト 陸上400、200、100メートルの鈴鹿出身・伊藤智也選手「しょっちゅう遊びに行く名古屋は食事面でアドバンテージ」
(3)外向く力くれたスポーツの魅力伝えたい パラ卓球の池山優花選手「メダル取りたい」
(4)「子どもが義足に触れられる機会を」講演や絵本制作に奔走 津市出身の前川楓選手、目指す自己ベスト更新
(5)慣れ親しんだ競技会場で狙うは初入賞とメダル アジアパラ射撃、津市出身の望月貴裕選手
(6)義足付け替え「二刀流」で挑むアジアパラ大会 陸上200メートル・走り幅跳び、大紀町出身の井谷俊介選手
2023年の中国・杭州大会に続き、2度目のアジアパラ大会。陸上T63クラス(片脚の太ももから義足・機能障害)の男子走り幅跳びに出場する鈴鹿市の稲垣克明選手(34)は「3年前は悔しい結果に終わった。今回はアジア記録を更新する跳躍で必ずメダルを獲得したい」と意欲に燃えている。
前回大会はアジアランキング3位で出場を決め、メダル圏内にいたがシーズンワーストの記録で7位に終わった。原因は大会2カ月前に義足の先端に取り付けるブレード(板バネ)が割れてしまったこと。ブレードは受注生産で受け取るまで3カ月ほど時間がかかるという。当時スペアを持っておらず、他の選手から借りて臨んだものの感触をつかむのが難しかった。
脚とブレードを接続するソケットが体に合わず調整にも難航。直前まで練習ができなかった。「コンディションは良かったのに」と悔やむ。今大会に照準を合わせてブレードのスペアを用意したり、ソケットが体に合うように調整したりしてきた。
中学、高校ではハンドボール部に所属しもともと運動は好きだった。2014年に勤務先で機械に挟まれて左脚を切断した。しばらくスポーツから離れていたが、県内の競技場で義足で走る選手らの姿を見て心を動かされた。
前回大会の直前に生まれた長男は3歳になり「パパがアジア大会に出る」と話すようになり、今年は次男も誕生した。「できれば子どもたちにはスポーツが好きになってほしい。家族のためにも金メダルを取りたい」。父親が名古屋の舞台でその背中で見せる。 (北村太一)
いながき・かつあき 1992年生まれ、鈴鹿市出身。2019年から競技を始めた。今年6月の日本パラ陸上競技選手権大会では、自己ベストとなる6メートル22を記録した。住友電装鈴鹿製作所(鈴鹿市)所属。
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