延長十一回を投げ終えて、吠える阪神・岩崎優=甲子園球場(撮影・水島啓輔) (セ・リーグ、阪神2-2巨人=規定により延長十二回引き分け、25回戦、阪神16勝8敗1分、1日、甲子園)現役時代は南海、西武に所属し、引退後は西武、ダイエー、阪神の3球団でヘッドコーチを務めたサンケイスポーツ専属評論家・黒田正宏氏(78)は延長十二回の戦いを終えた阪神ナインを絶賛した。
優勝の可能性を持つ両チームの球史に残る名勝負だった。圧倒的有利な立場にいる阪神だが、すさまじいプレッシャーを感じながらの試合だったことは、選手のプレーで伝わってきた。序盤、チャンスを作るまでは良かったが、そこから決定打が出ないのはまさにプレッシャー。村上も援護がない中で粘りの投球をしたのは最大の評価をしたいが、それでもプレッシャーから球数が増えてしまった。
私自身も最終盤までのもつれ込む死闘の経験があるから、阪神ナインの気持ちはよくわかる。西武コーチ時代の1988年は、近鉄の「10.19」で有名な、猛烈な追い上げを受け、全試合終了後の優勝だった。翌年は残り3試合で、近鉄とのダブルヘッダーに1勝すれば優勝だったがまさかの連敗。最後は勝率2厘差で3位という悔しい思い出もある。当時、森監督も言っていたし、ヘッド格として私も選手に言ったことはよく覚えている。
「プレッシャーは当たり前。緊張するのも当たり前。だからこそ、自分のできることだけを確実にやろう」
この緊迫感の中で死闘を繰り広げ、引き分けたことは大きい。野球人生の財産になるだろう。