宝塚歌劇団花組トップスター、永久輝(とわき)せあ主演のミュージカル「エリザベート-愛と死の輪舞(ロンド)-」が17日、兵庫・宝塚大劇場で開幕した。日本初演30周年の名作で、歴代11人目のトートを演じる永久輝は取材会で、公演に対する思いを語った。同劇場は11月22日まで。東京宝塚劇場は12月19日~2027年2月7日。
青白いスポットライトを浴び、長い髪をなびかせて神秘的な美しさを放った。
オーストリア発の「エリザベート」は、黄泉(よみ)の帝王トートと美しき皇后エリザベートの物語。1996年の日本初演から小池修一郎氏が潤色・演出を手がけ、2018年の月組公演以来8年ぶり、通算11回目の上演となる。
宝塚歌劇花組トップスター・永久輝せあ =宝塚市内永久輝にとって宝塚音楽学校を志すきっかけとなった役。高校1年の冬、2002年の花組公演の映像で元花組トップスター、春野寿美礼のトートに心を奪われた。事前の取材会では「いつかは出演してみたいと思っていました。喜びを感じている」と声を弾ませた。
「死」を象徴する難役に挑む。「死を表現するというよりは、エリザベートに恋をしてタブーを犯し、失敗をする。キャラクターとして人間的な部分も感じられる」と、独自のトート像を追求する。
「想像しただけでも難しい役。とてもプレッシャーを感じました。お話をいただいたときはドキドキしました」と吐露。過去の公演映像を見返したほか、オーストリア・ウィーンにも足を運び、作品への理解を深めてきた。
トップ娘役の星空美咲(ほしぞら・みさき)は、宮廷の束縛に悩み、自由を求めるエリザベートを好演。皇帝フランツ・ヨーゼフ役の聖乃(せいの)あすか、暗殺者ルキーニ役の極美慎(きわみ・しん)も、それぞれの魅力を発揮した。
豪華なセットや衣装も見どころ。組回りの団員を含む90人以上が出演して華やかな舞台を繰り広げた。フィナーレでは永久輝が大羽根を背負って登場し、大きな拍手が湧き起こった。
永久輝は歴代のトートとの比較について「同じじゃつまらない。新しい姿で立ちたい」と笑みを浮かべながら決意をのぞかせた。その言葉通り「最後のダンス」をはじめ、力強く伸びやかな歌声と指先まで意識した繊細な芝居で、30年続く名作に新たな命を吹き込んだ。
★「FNS歌謡祭」での永久輝せあ、聖乃あすからの衣装を展示
宝塚大劇場3階の「宝塚歌劇の殿堂」第二会場では、特別企画として、フジテレビ系「2026 FNS歌謡祭 夏」で5人組男性ダンスボーカルグループ、M!LKと共演した花組の永久輝せあ、聖乃あすか、極美慎、侑輝大弥、希波らいとの5人が着用した衣装を展示する。会場限定の未公開特別映像も楽しめるほか、花組公演「蒼月抄」「EL DESEO」などの舞台衣装や小道具も展示する。11月22日まで。
■永久輝 せあ(とわき・せあ) 8月8日、東京都世田谷区生まれ。白百合学園高を経て、2011年3月に97期生として入団。同年、星組公演「めぐり会いは再び」で初舞台。その後、組回りを経て雪組に配属され、入団4年目に「ルパン三世」で新人公演初主演。19年に花組に組替えし、「冬霞(ふゆがすみ)の巴里」や「激情」で主演を務めた。24年5月27日付で花組トップスターに就任。身長170センチ。愛称は「ひとこ」。