人間国宝の坂東玉三郎が納涼歌舞伎で地唄舞二題を舞う 「舞踊は音楽が一番大事」

[ 2026年7月1日 16:31 ]

取材に応じた坂東玉三郎
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 歌舞伎俳優の坂東玉三郎(76)が1日、都内で「八月納涼歌舞伎」(東京・歌舞伎座、8月2~26日)第三部の取材会を行った。

 午後7時に開演する第3部では地唄舞「雪」「残月」を披露する。2曲はともに天明、寛政期に峰崎勾当が作曲した名曲。「残月」は、玉三郎が舞踊として近年新たな息吹を吹き込んだ。同演目は歌舞伎座で初上演。「歌舞伎座の大きな舞台で地唄二つというのも異色な感じはするんですが、納涼歌舞伎ということでお許しいただければと思います」と呼びかけた。

 取材の中では歌舞伎俳優と舞踊の関係についても語った。二代目尾上松緑さんの「踊らない役者はいるけれども、踊れない役者は駄目だ」という言葉を引用。「この言葉は、踊れるけれども、踊らないで芝居をするのはいいが、踊れないのは役者ではないということを言っている」。踊りは芝居の延長線上にあるというのが、玉三郎の考え。「区別がつきにくい。お芝居もせりふ、構成が音楽的。(の)揚巻が美しい下座音楽に乗って出てこないと、うっとうしいですよね」とユーモアを交えて説明した。

 舞踊演目についても現代を生きる名人として持論を語った。「舞踊の場合は音楽が一番大事。音楽さえきちっとしていれば、僕は3回くらい舞っていれば良い。つまり、音楽的に駄目ならば、どんなに技芸を巧みに踊っても納得はできない」と音楽の重要性を説いた。その上で「僕は良い演奏家に助けられた」と感謝も口にした。

 若手の舞踊についても「歌舞伎座で自分をちゃんと見せようと、前の方で踊る癖が若い人についている」と疑問を投げかけた。「でも、あまり前に出ると平べったくなる。昔の人は所作台一枚の切れ目の前かそのあたりで踊っていた。でも今は獅子でもどんどん前に来ている。こんなに前に出たら奥行きがない。そういう意味で僕は道成寺なんかと同じ位置で踊ります」と経験に裏打ちされた金言を授けた。

 今回披露する2演目はシンプルがゆえに踊り手の技術が問われる。「もし内容が良くなければ、払い戻すシステムは松竹にはありませんが、“僕は駄目なら払い戻ししてもらってもいい”くらいのつもりではいます」と覚悟を口にした。

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