「豊臣兄弟」脚本家・八津弘幸氏“飲み友達”ドロス磯部寛之を称賛「悔しい(笑)」長宗我部元親役を好演

[ 2026年9月20日 20:45 ]

大河ドラマ「豊臣兄弟!」第36話。羽柴秀長から届いた美しい小袖を手にし、長宗我部元親(磯部寛之)は涙…(C)NHK
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 俳優の仲野太賀(33)が主演を務めるNHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」(日曜後8・00)は20日、第36回「姫若子(ひめわこ)と鬼若子(おにわこ)」が放送され、羽柴秀長を総大将とした「四国攻め」(天正13年・1585年)が描かれた。ドラマ初出演ながらも土佐の戦国武将・長宗我部元親役を好演し、異例の起用に応えて話題を集めてきたのが、ロックバンド[Alexandros]のベース担当・磯部寛之(43)。脚本の八津弘幸氏(55)ともプライベートで親交がある。元親のキャラクターづけなど、八津氏に執筆の舞台裏を聞いた。

 <※以下、ネタバレ有>

 大河ドラマ通算65作目。“天下一の補佐役”豊臣秀長を主人公に、豊臣兄弟の絆と奇跡の下克上を描く。兄・豊臣秀吉役は俳優の池松壮亮が演じる。

 第36回は、羽柴秀吉(池松壮亮)は織田信雄(山脇辰哉)と和睦し、徳川家康(松下洸平)との戦はいったん収束。しかし、悲願の四国一統へ長宗我部元親(磯部寛之)が反旗を翻した。秀吉は、四国攻めの総大将に羽柴秀長(仲野太賀)を指名。秀長は兄の力を世に誇示しようと、天然の要害・四国に対して大規模作戦を実行。その頃、秀吉は“ある重要な目的”のため京を訪れる…という展開。

 元親は阿波・白地城に籠城。秀長は谷忠澄(堀部圭亮)を通じて元親に美しい小袖を届け、説得を試みた。忠澄は「殿を説き伏せることができるがは、あの時の殿しかおらぬと。あれが真の長宗我部元親ながじゃと」。元親は小袖を手に取り、涙した。

 元親は秀長のいる阿波・一宮城へ。

 元親「わしにとって四国一統は、苦しい夢であった。戦に明け暮れ、いつの間にか人を殺めることにも、なんちゃあ感じんなった。わしは、そんな己が恐ろしゅうて。じゃき、こうして美しいもんに身を包み、心の中に潜む醜き鬼を、封じてきたがでございます。この姿を、真のわしじゃと言うてくださった貴殿の言葉は、わしにとって救いでございました」

 秀長「もしも違う出会いであったなら、わしらは友になれていたかもしれぬな」

 元親「なんでそこまでわしのことを」

 秀長「好きじゃき」

 2人は笑い合う。

 元親「まだ、遅うあるまい。今この時より、そうなればええがじゃ!この元親、これよりは上様の臣下となり、天下一統の夢を、お手伝いをいたしまする」

 第25回(6月28日)の「京都御馬揃え」(天正9年・1581年)の際、女物の装束をまとう元親と小一郎が再会したのが布石だった。

 小一郎「なぜ、そのようなお召し物を」

 元親「好きじゃき」「わしは幼き頃から、女子(おなご)のようじゃとよう言われよってのう。姫若子などと呼ばれたもんよ。今もこのような姿でおると、なぜか穏やかな心持ちになれるがじゃ。できることやったら、ずっとこのまんまでおりたかったけんど、そうもいかん」

 小一郎「戦が、お嫌いなのですか?」

 元親「戦は、好きか嫌いかでやるもんじゃない。四国を一つにするがは、我ら土佐の大願じゃき。成し得た暁には、土佐へ遊びにまいれ。うまい魚をこじゃんと馳走するき」

 長宗我部元親の幼少期の外見は色白・細面、性格もおとなしく「姫若子」と揶揄されたという。しかし、数え年23歳で迎えた遅めの初陣「長浜の戦い」(永禄3年・1560年)で勇猛果敢な「鬼若子」に変貌して称賛されたといい、今回はこの逸話をアレンジ。八津氏は「『豊臣兄弟!』の元親をどういうキャラクターにしようか考えた時に、姫若子と鬼若子が一番象徴的なエピソードだと思いました。ただ、史料を調べても、姫若子から鬼若子に変わった理由はよく分からない。なので、そこは想像を巡らせて、元親は変わらざるを得なかったのではないか、姫若子の自分の方が自分らしいと感じているのではないか、という人物像のアイデアが浮かびました」と作劇を振り返る。

 八津氏が共同脚本を務めたNHKドラマ10「ミス・ジコチョー~天才・天ノ教授の調査ファイル~」(2019年)の主題歌「あまりにも素敵な夜だから」を[Alexandros]が担当。しかし、磯部とはその前からジムで知り合った“飲み友達”だった。

 「もともとお芝居にも興味があるということは、ご本人からもうかがっていて、どこかでチャンスがあれば、とは思っていました。磯部さんのまとう雰囲気に姫若子と鬼若子に通じる部分があると感じて、いきなり大河ドラマで大変なのは分かっていましたが、スタッフの皆さんにご相談した次第です」

 磯部は土佐弁も駆使し、演技初挑戦とは思えない立ち居振る舞いと存在感。この夜も、SNS上には「ホントに初芝居?信じられない」などの声が相次ぎ、反響を呼んだ。

 八津氏も「僕が接する磯部さんはミスターパーフェクトなんです。常日頃、磯部さんのダメなところを探しているんですが(笑)、初ドラマが大河という非常に高いハードルも乗り越えて、見事に元親を体現してくださいました。今回こそ磯部さんの弱点が見つかるはずだったんですが、そうはならず“悔しいです”とメッセージを送りました(笑)」と冗談めかしつつ、友人としても絶賛してやまなかった。

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