メジャー1年目で目撃
この前向きな姿勢を目の当たりにしたのが移籍1年目、アリゾナ州での春季キャンプだった。クラブハウスでの雑談中、「バントかヒッティングか迷う場面で、監督がどちらを好むのか分からない」と口にしたことがあった。「こっち(大リーグ)では監督室のドアが開いていたら、質問に行っても大丈夫。特にここの監督は喜んで答えてくれると思いますよ」と助言すると、すぐに行動に移したのだ。
当時のロン・レネキー監督は、エンゼルスのコーチ時代から何度も取材している旧知の仲。ベンチ前で練習を見ていると近寄ってきて、「青木が通訳と監督室へ来て、いろいろな質問を受けたよ。実に頭のいい選手だと感心した。今季が楽しみだ」とうれしそうに明かしてくれたことを覚えている。
青木氏がボートレース住之江を訪れた翌18日、ヤクルトのゼネラルマネジャー特別補佐就任が決まった。近い将来、監督になる布石だろう。日米で培った経験をいかに生かしていくのか。その日が待ち遠しい。
■田代 学(たしろ・まなぶ) サンケイスポーツ営業局長。1991年入社。プロ野球や五輪担当などを経て、2001年から13年11月まで米国駐在の大リーグ担当キャップ。全米野球記者協会の理事や、13年ワールドシリーズの公式記録員を日本人記者で初めて務めた。米国での愛称は「ガク」。