松坂8勝目!長谷川氏に並ぶメジャー45勝

[ 2010年8月7日 06:00 ]

インディアンス戦に先発し8回を投げ終え1失点、マルティネス捕手(左)に祝福されるレッドソックス・松坂

 【レッドソックス6-2インディアンス】レッドソックスの松坂大輔投手(29)が5日(日本時間6日)、インディアンス戦に先発。今季自己最長タイの8回を5安打1失点に抑え、8勝目を挙げた。フォーシーム、カットボール、シュートと速球系の球を多投する中、セットポジションからの足の上げ方でタイミングをずらすなど投球術も光った。松坂はこの白星でメジャー通算45勝となり、日本人投手では歴代3位の長谷川滋利氏(42=スポニチ本紙評論家)に並んだ。

【試合結果
】

 松坂が投じた109球のうち、81球が90マイル(約145キロ)を超えた。89マイル(約143キロ)のカットボール1球を含めると82球。全投球数の実に75%が速球系だ。そこには松坂流の考えがあった。

 「良かったり悪かったりする中で確実に自分の状態は上がってきているという実感はあります」

 最速94マイル(約151キロ)を記録したフォーシーム。そこが出発点。松坂は言う。「直球で押し込めれば変化球が生きる。でも緩い球は大きく打者のタイミングをずらせるが、当てられたり、見逃される可能性がある。直球に本当の威力があれば、カットボール、ツーシームで凡打に打ち取れる」。2回無死一塁からニックスを遊ゴロ併殺に打ち取ったのはシュート(=ツーシーム)だった。わずかボール1、2個分の変化だが、直球狙いの打者のタイミングを微妙にずらした。フォーシームにこだわり続け体を鍛え直した今季、思い描く1つの形を体現した。

 投球が単調にならないための工夫も加えた。4回2死一塁。走者は今季盗塁のないラポータで、足を警戒する必要はない場面だったが、2ストライク2ボールからクイックで投げ、ニックスから空振り三振を奪った。逆に5回2死三塁では、左足を上げてから1度止めたフォームから速球を投げ込み、クローを左飛に仕留めた。「同じ球種でも足の上げ方で打者のタイミングはずれる」。この2球とも球速は93マイル(約150キロ)を記録した。「おへその下の丹田(たんでん)に意識を集中させることで、投げるタイミングを変えてもバランスは崩れない」。投手にとって、緩急とは、何も球速差だけではない。「投球フォームによる緩急」もあるのだ。

 最近4試合連続で6回以上を投げてきたが、松坂の心は晴れなかった。7勝目を挙げた7月19日のアスレチックス戦。7回にピンチを背負うと、わずか89球で交代となり、ベンチ裏でゴミ箱を蹴飛ばした。首脳陣からの信頼を得ていない自分に腹が立った。だからこそ、8回が大事だった。1番からの打順をこの日初めて3者凡退に抑え「(初回に本塁打された)秋信守に打順が回ってくる中で走者を出せば交代だったと思う。投げ切ることができて良かった」。胸のつかえをやっと取ることができた。

 速球が走れば、自らの豊富な引き出しがさらに生きる。首位ヤンキースまで6ゲーム差。「これからはずっと負けられない戦いが続く」。松坂の表情には力があった。

 ≪1位は野茂の123勝≫レッドソックスの松坂が、今季8勝目で大リーグ通算45勝目に到達した。日本人投手では歴代3位の長谷川滋利に並んだ。1位は123勝の野茂英雄、2位は51勝の大家友和(現横浜)。45勝到達ペースで野茂と比較すると、松坂は登板89試合目で、野茂の100試合目を上回った。また、野茂のメジャー4年目までの通算勝利数は49。松坂は今季残り10試合の登板が予想されるだけに、4年目での50勝到達の期待もかかる。

 ▼長谷川滋利氏 私は先発だけでなく救援もやったので、勝ち星にはこだわらなかったが、松坂は先発投手として勝ち星にこれからもこだわってもらいたい。調子の良い時だけでなく、悪い時でも試合をつくれる投手。日米通算というよりも大リーグだけで100勝、150勝と積み上げていってほしい。

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