【毎日映画コンクール】カルーセル麻紀が伝説に 信頼の裏返し「鬼のような監督」と再タッグ熱望

[ 2025年1月17日 05:00 ]

助演俳優賞 「一月の声に歓びを刻め」

<毎日映画コンクール助演俳優賞 カルーセル麻紀インタビュー>「一月の声に歓びを刻め」の好演技で助演俳優賞に輝いたカルーセル麻紀 (撮影・西川祐介)
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 カルーセル麻紀(82)が伝説になった。ジェンダーフリーの観点から、男優・女優の区別を撤廃した新生コンクールで助演俳優賞を受賞。対象作「一月の声に歓びを刻め」のタイトルではないが、圧倒的な存在感で歴史にその名を刻んだ。

 「きつい撮影だったけど、やりがいがある役で楽しかった。表彰式の舞台に立つと考えただけで震えるわ」

 作品は三島有紀子監督が自らの体験をモチーフに3つの島を舞台に描いた人間ドラマ。性被害を受けて亡くなってしまった娘を思うあまり、憎らしい男から女へと性転換した初老のマキをノーメークで体現。「女になりたくてオペまでしてこの世界に入った私が、結婚して子供がいるのにパパがママになっちゃった人をできるかしら」と、最初は役に入れなかったそうだが、あっぱれな演技だった。

 「緋の河」「孤蝶の城」という彼女をモデルにした小説がある同郷の作家・桜木紫乃さんが出演を後押しした。妥協を許さない監督との真剣勝負。「鬼のような監督に殺されるかと思った」と憎まれ口も叩くが、むろん信頼の裏返しだ。

 洞爺湖に浮かぶ中島でのマイナス20度の中での撮影。トイレがないから紙おむつまで装着した。雪の中、娘の名前を叫びながら倒れる場面は西洋の映画や絵画のような美しさ。「自然と涙が出てきた。倒れた勢いでシラカバから雪が落ちてきて、隙間からのぞいた太陽が大親友だった太地喜和子に見えたの。“麻紀頑張ったねえ”と」

 12年ぶりの映画で堂々の勲章。「三島監督の作品ならまた出たいわ」と色気も出た。(佐藤 雅昭)

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