銀座からまたひとつ映画館が消える

[ 2026年6月18日 14:15 ]

10月に閉館が決まったシネスイッチ銀座
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 【佐藤雅昭の芸能楽書き帳】東京・銀座の老舗映画館「シネスイッチ銀座」が公式サイトで10月25日をもって閉館すると発表した。老朽化でビルを建て替えるのが理由のようだが、その後の再開は未定という。ミニシアターブームをけん引した同劇場(籏興行が運営)の閉館は映画ファンにとって残念なニュースだ。

 昨年7月27日には丸の内TOEIが65年の歴史に幕を引いたばかり。シネマコンプレックス隆盛の時代だが、昔ながらの形態で奮闘している劇場が相次いで姿を消していくのは、これまで続けてきた関係者の努力を思うと胸が痛む。

 シネスイッチ銀座は1955年に「銀座文化劇場」として産声を挙げた。87年に2館のうち1館で、良質な作品を洋画と邦画を交互にスイッチしながら上映するスタイルを採用。97年4月に「シネスイッチ銀座1・2」としてリニューアルオープンした。

 97年までは主に日本ヘラルド映画系の作品を提供していたが、中でも88年公開の「モーリス」と翌89年公開の「ニュー・シネマ・パラダイス」の大ヒットは記憶に新しい。カンヌ国際映画祭で審査員グランプリ、米アカデミー賞で外国語映画賞(現・国際長編映画賞)に輝いた「ニュー・シネマ・パラダイス」は40週のロングランで、3億6900万円の興行収入を打ち立てた。

 邦画では滝田洋二郎監督の「木村家の人びと」(88年)や岩井俊二監督の「Love Letter」(95年)、平山秀幸監督の「しゃべれどもしゃべれども」(07年)、三島有紀子監督の「幼な子われらに生まれ」(17年)、大森立嗣監督の「日日是好日」(18年)などが同劇場発。21年、加賀まりこと塚地武雅が親子を演じた「梅切らぬバカ」の舞台あいさつを取材したのも記憶に新しいし、翌22年11月に日活110周年を記念して今村昌平監督「神々の深き欲望」や田中絹代監督「乳房よ永遠なれ」、川島雄三監督「幕末太陽傳」など8作品がデジタル復元されて上映された特集は好企画だった。

 銀座、有楽町界隈では98年に「並木座」、13年に「銀座シネパトス」と「銀座テアトルシネマ」、19年に有楽町スバル座が閉館。それぞれ熱心なファンを持った映画館だだったが、時代の流れには抗えなかった。残念でならない。

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