「ここに来たら一人じゃなかった」 Palette Parade比嘉ゆめのがLINE CUBE SHIBUYAで重ねたい7人とファンの色

[ 2026年7月24日 20:30 ]

【画像・写真3枚目】Palette Parade比嘉ゆめのが見た“静かな花火” 「夏がほどく夜」に託された5周年の約束
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  7月21日にニューシングル「夏がほどく夜」をリリースしたアイドルグループ「Palette Parade」の比嘉ゆめのが、都内でソロインタビューに応じた。3部作で届ける連載の第3部では、9月8日にLINE CUBE SHIBUYAで開催される5周年ワンマンライブ「だから僕らは色を重ねる」に向けた想い、7人の成長、そしてファンと作りたい景色に迫る。(推し面取材班)

  LINE CUBE SHIBUYAの客席を、比嘉はまだはっきりとは描き切れていない。かつて対バンライブで一度だけ立った記憶はある。ただ、その時に身体へ残ったのは「広いな」という感覚だけだった。

  5周年を迎えた今、その場所でワンマンライブを行う未来など、当時の背中は想像していなかった。

  胸は高鳴る。そのすぐそばで、別の声も鳴っている。

 「もし全然お客さんがいなかったらどうしよう」

 ワクワクとプレッシャーは、同じ速度で近づいている。

  5周年ワンマンライブのタイトルは「だから僕らは色を重ねる」。比嘉は、この言葉が決まるまでの空気を覚えている。

「このタイトルは、いくつか候補があったみたいで、やっぱり5周年ということで、これまでは割と楽しいタイトルが多くて、今回もそういう感じでいくのか。それとも5周年という節目なので、Palette Paradeの深い部分というか、普段楽曲で届けているようなコンセプトでいくのか、個人的にとてもワクワクしていました」

  いくつかの候補を見せられ、「君はどう思う?」と問われた。そこで比嘉の中に浮かんだのは、やはり“色”だった。

 「やっぱり『色』とかが入っているのが、私たちPalette Paradeが5年間で届けてきたものにすごく近いなと思って。それをコンセプトに、今回はいつもとちょっと違うけれど、居場所要素を多めに届けられたらいいなと思っていました」

 色を重ねる。それは7人だけの話ではない。ステージに立つ側の色があり、客席に集まる一人一人の生活の色がある。そのすべてが、9月8日の夜に重なっていく。

 4周年で立ったZepp DiverCity(TOKYO)は、初期から目指していた場所だった。

 「Zepp DiverCity(TOKYO)がずっとやりたかった会場で、多分私だけじゃなくて特にオリジナルメンバーはずっと初期から『この会場でやれるようになろうね』って約束とかではないけどみんなで言っていた会場だったので、去年はとにかく立てたことを無駄にしないように頑張ろうという感じでした」

 その舞台に立ったことを、終点にはしなかった。

 比嘉は、この1年を「グループとして成長した」と言う。7人の足元が同じ方向を向き始めた実感がある。

 「グループの7人全員の目標が多分同じになってきて、個人個人じゃなくて全員で売れようというか。みんなでライブを作ろうだったり、1回1回のライブを1個も無駄にしないで全部掴んでいこうっていうのは今、全員が思っている」

 大きな変化は、派手な言葉ではなく、ライブ前の会話に宿っている。

 「ここはもっとこうしたいね」「こういう煽りを出してみよう」。そんな話し合いが、当たり前になった。

 「多分前もやってはいたと思うけど、今ほどやれていなかったなと思っていて。全然やらなかったとかじゃなく余裕がなくてやれていなかったのかなと思うんですけど、今はちゃんと余裕も出てきて、もっと違うところにも考えられるようになって。煽りとか表現力とかでもこだわれるようになって、この1年はこれまでの期間の中で一番成長できたんじゃないかなと思っています」

 余裕とは、気を抜くことではない。目の前の一曲をこなすだけではなく、その先の景色を考えられるようになったということだ。

 LINE CUBE SHIBUYAへの思いを尋ねると、比嘉は「どっちもです」と答えた。
ワクワクとプレッシャー。その両方がある。

 ただ、少し息を置いて、本音を続けた。

 広いホールに立つこと。そこに人を集めること。集まった人たちの期待を受け止めること。どれも、簡単な言葉では片づけられない。

 「お客さんの人数が増える分期待の数も増えるので、コケられない。ちゃんと私たちが今できることや、それ以上のことをやり遂げないといけないなっていうプレッシャーをずっと自分にかけ続けています」

 コケられない。短い言葉に重みがあった。

 4周年のZepp DiverCityは、まだ「立ちたいね」と言えた場所だった。周りにも立っているグループがいた。しかし、LINE CUBE SHIBUYAは違った。建て替えで名前もリニューアルされたが、今回挑むのはあの渋谷公会堂なのだ。

 「初期に対バンで立った時は本当に大きいグループさん、それこそ私たちから考えられないぐらいめちゃくちゃ大きいグループさんがやられているイメージしかなかったので」

 初期のパレパレにとって、その名前は現実の延長線上になかった。

 「LINE CUBE SHIBUYAレベルになると、当時の自分たちからしたら『いやいや、まあまあ無理だよ』みたいなレベルの話だったので」

 だからこそ、そこへ向かう足取りには、Zepp DiverCity(TOKYO)とは違う緊張感がある。

 「初期の自分たちがこれを聞いたらめちゃくちゃ驚くだろうなって思うぐらい、Zepp DiverCity(TOKYO)とはまた違う緊張感がありますね。まだしっかり想像がついていないのだけがちょっと怖いんですけど」

 まだ想像しきれない場所へ行く。その怖さを抱えたまま、7人は準備を続けている。

 5周年ワンマンライブは挑戦なのか。それとも、歩みを証明する舞台なのか。比嘉の答えは「両方」だった。

 「パレパレメンバーっていい意味で自分たちに自信が持てていないところが多くて。だからこそずっとこうやって話し合いを続けてきたり、みんなで目標を同じにして進んでこられたのかなと思うんです」

 自信のなさは、弱さだけではない。足りないものを見る目になり、話し合う理由になり、次のライブを変える力になる。

 「パレパレの実力でどこまで、どのくらいの完成度で大成功させられるのかっていう挑戦もありますし、何と言っても5周年という節目なので、その挑戦の思いにプラスで、これまで歩んできたものをしっかり確実に届けるべきだなと今は思っています」

 その言葉の先に、ファンの顔がある。比嘉は、会場に来るまでの道のりを想像している。

 宿を取る人がいる。新幹線に乗る人がいる。夜行バスに揺られる人がいる。海外から来る人もいる。その一つ一つに、9月8日に時間とお金を注ぐ覚悟がいる。

 「自分の中ですごく曲げられない信念があって、『ライブは何があってもどんなことがあってもステージに立ち続けたい、ずっと歌っていたい』って思いがあるんです」

 マイクを握る手が守ろうとしているのは、自分たちの夢だけではない。客席に座るまでの時間も、そこで使われたお金も、休みを取るために調整した仕事も、全部だ。

 「その気持ちを無駄にしたくないんです」。だから、簡単には崩せない。

 「私たちが、ここでうまくできていないライブをしてしまったりとか、ステージに立てなくなってしまったりしたら、どれだけ悲しい気持ちになるんだろうっていうのが、自分がアイドルが好きだったからこそ気持ちが分かるので」

 比嘉は、アイドルを見る側の気持ちも知っている。だからこそ、ステージに立つ側として返したいものがある。

 「絶対にファンの方を悲しませたくないというか、笑顔で『楽しかったな』って気持ちで帰って欲しいなっていうのが何よりも大きいです」

 5周年の感謝。これからの道。そのどちらも大切だ。

 比嘉が続ける。

 「ファンの方が来てくれた全員が『本当に今日来てよかったな』『明日からの生活ちょっと頑張ってみようかな』って、そういう気持ちになっていただけるようなライブをお届けしたいなと思っています」

 客席には、いろいろな生活が集まる。

 正社員として働く人。先生として教壇に立つ人。学校に通う人。アルバイトに励む人。仕事の後に駆けつける人。休みを取って来る人。

 別々の場所で、それぞれの日々を抱えている人たちだ。

 比嘉は、その一人一人が同じ時間に集まる意味を、まっすぐに見つめている。

 「パレパレが居場所を作れたらいいなと思っています」

 そして、こう続けた。「『ここに来たら一人じゃなかったな』とか、パレパレがいることで『今日がすごい楽しかった』『また一緒にこの景色を見たいな』とかそういう気持ちを、私たちだけじゃなくて心が温まる瞬間を一緒に見られたら、私たちは頑張ってよかったなって思うので」

 LINE CUBE SHIBUYAを満たすのは、ペンライトだけではない。

 仕事帰りの疲れ。遠征に使った体力。明日を少しだけ信じたい気持ち。そうした一つ一つが、客席で重なっていく。

 「受け取り方は全員違うと思うんですけど、全員で同じ方向を向いて、そのライブを私たちだけじゃなくて、みんなと一緒に作っていきたいと思っています」

 だから僕らは色を重ねる。

 そのタイトルは、5周年を飾るための言葉ではない。7人が同じ方向を向き、ファンがそれぞれの生活からたどり着き、同じ夜に同じ景色を見るための約束だ。

 「ここに来たら一人じゃなかったな」

 客席のどこかでその一言が生まれた時、LINE CUBE SHIBUYAはただの大きな会場ではなくなる。

 5年間、Palette Paradeが創り続けてきた居場所そのものになる。

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