市川染五郎 早大でハムレット講座 本番で「お守りの指輪が割れた」と告白

[ 2026年7月27日 10:53 ]

早稲田大学大隈記念講堂で講演を行った市川染五郎(提供:早稲田大学演劇博物館)
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 歌舞伎俳優の市川染五郎(21)が22日、東京・早稲田大学で特別講座「市川染五郎が語る 舞台『ハムレット』~古典と現代、そして『演じる』ということ」と題したイベントに出席した。

 染五郎は今春、舞台「ハムレット」でストレートプレイに初挑戦。祖父の松本白鸚(83)、父の松本幸四郎(53)も演じた高麗屋に縁がある作品に、ハムレット役で主演していた。

 役作りの“引き出し”として、10人以上のハムレットを映像で見たといい、2017年に内野聖陽(57)が演じたハムレットは、「少年ではなく、男っぽいところが自分のイメージに近かった」と同大学出身の名俳優の名を明かしていた。

 稽古場では、演出家のデヴィッド・ルヴォー氏(68)から「思考を途切れさせないように」とアドバイスされたそう。「他者の言葉を受けて、思考が回転して自分の言葉が出てくるのが人間。思考を回転させて、出てきたものをお客さんにシェアしてくれと。シェアという言葉を何百回も聞きました」と振り返っていた。

 舞台では、祖父がかつてハムレットを演じた際に身につけていた指輪をお守りとして身につけていたが、2つのうち1つが、東京公演の千秋楽中に、「真っ二つに割れてしまった」と告白。、恋人のオフィーリアに「尼寺へ行け!」と言い放つ場面だったといい、「守ってくれていたのかなと感じました」と回想していた。

 体当たりで臨んだ「ハムレット」について祖父は、「稽古を見て、良かったと言ってくれた」と笑顔。祖父とルヴォー氏は1996年に上演した「マクベス」でタッグを組んでおり、稽古場では30年ぶりの対面がかなったそう。両作品で訳を務めた松岡和子氏(84)も同席したといい、「再会の時間を作ることが夢でした。すごいものを見たという感じがした。30年経って孫と祖父が同じ海外の演出家の方とご縁があったのはすごいこと」と感激していた。

 ステージではほか、東京・歌舞伎座で、9月に“染團辰”として初顔合わせする、市川團子(22)、尾上辰之助(20)との「春調娘七種」や、「一條大蔵譚 奥殿」で演じる一條大蔵長成についての話題も。

 平家の目を欺くために、うつけ者のふりをする大蔵卿は、内面的な苦悩や振る舞いがハムレットと重なる部分があり、「ハムレットを経験して、大蔵卿ができることは大きい」とコメント。本番に向けて、「父にセリフを習っているところ」といい、本心を隠さなければ生きることができない大蔵卿について、「かわいそうだなと、泣きそうになってしまった」と繊細な一面を明かしていた。

 「愛嬌ある部分が印象に残りがちですが、その奥にある悲しさ、繊細さを表現したい。これは(同役が当たり役と言われた)大叔父も目指していたもの。まだ自分が勤めるなんて早いと思わずに、大叔父が目指していたところを自分も目指していきたい」と気を引き締めていた。

 イベントは、同大学内にある「演劇博物館」が2028年10月に開館100周年を迎えることを記念し開催。染五郎は13歳だった2018年に、同大学内でウィリアム・シェイクスピアの「ハムレット」の朗読をしており、8年ぶりの登場となった。(西村 綾乃)

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