重ねたのは「7色」だけじゃない――Palette Parade5周年ワンマン、涙も迷いも“ぐちゃぐちゃ”にして作った「居場所」

[ 2026年9月16日 12:00 ]

【画像・写真】Palette Parade5周年ワンマンライブ「だから僕らは色を重ねる」
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 7人組アイドルグループ「Palette Parade」が8日、東京・渋谷のLINE CUBE SHIBUYAで結成5周年記念ワンマンライブ「だから僕らは色を重ねる」を開催した。葵うた、比嘉ゆめの、中野小陽、白川千尋、山﨑悠楓、夏目志穂、髙橋來都葉が全20曲、2時間3分を駆け抜けた。公演タイトルにある「色」とは何なのか。5年間、7人とファンは何を重ねてきたのか。その答えは、ステージと客席の境界まで溶けていった一夜の中にあった。(「推し面」取材班)

 アンコール。「JAM JAM JAM !!!!!!!」のイントロとともに、各担当カラーのTシャツを着た7人が勢いよく飛び出してきた。

 客席に、推しの色をまとったファンがいる。7人はステージを降り、席と席の間を駆けた。記念グッズを放り、顔見知りのファンには直接手渡す。何かを話し、目で合図し、手を振る。すぐそばまで来た推しメンの姿を前に、客席にはただただ楽しそうな顔が並び、スマホのレンズが向けられた。

 「JAM」には「ぐちゃぐちゃに混ぜ込む」という意味がある。紫、水色、白、ピンク、赤、オレンジ、黄色――。きれいに並んでいた色が、この瞬間だけは境界を失った。メンバーの色も、ファンの色も、ステージ側と客席側という線引きも、全部が混ざる。

 指定席の通路を使えるホールだからこそ生まれた景色。5年間、作り上げてきた「居場所」が、形になって見えた瞬間だった。

 パレパレは5年間、一体何を重ねてきたのだろうか。

 午後6時38分。答えを探す時間は、色鉛筆で描かれたような7人の少女が駆けるアニメーションから始まった。いざ開演。白川が叫ぶ。

 「行くぞ5周年ライブ!」

 旗が翻り、「パレサマ!」へ。「おとなだもの」「ときしゅわ!」「CHO-JO-JUMP」と畳みかける。

「今日楽しみだった人ー!?」
「全員気合い入れろ!」

 肩を組む7人に合わせ、客席も左右へ揺れた。「パレパレコーシンちゅう!」では通路へ飛び出し、祝祭は早くもホール全体へ広がった。

 だが、5周年を明るい色だけで塗るつもりはなかった。新曲「ヴィランズ・ハイ」。重いギターに乗せ、葵がクールな歌声で空気を切り裂く。比嘉は後に「心の中の言えない葛藤だったり、自分をさらけ出すような曲」と説明した。

 アイドルを5年続ければ、笑顔だけでは済まない。自分たちより後に走り始めたグループが、先に大きな会場へ立つ。その背中が遠く見えた日もある。何か一つの大きなきっかけで駆け上がったわけではない。挑戦して、思うように届かず、立ち止まる。自分たちは本当に前進できているのか。そう思った時間は数え切れない。

 8曲目「あくび」を終えると、7人は舞台袖へ消えた。衣装チェンジの間、スクリーンに映し出されたのは「パレパレを続けている理由」だった。

 中野は「メンバーのみんなが大好きで、みんなのために続けてます」。山﨑は表舞台に向いていないと思った時期を振り返り、仲間と笑い、抱き合う中で「ここにいていいんだ」と思えたと明かした。髙橋は「青春をずっとパレパレでやってきてる」。

 そして白川の言葉だけ、少し色が濃かった。

 「いつやめてもいいやって思ってた時期とかめっちゃあった」

 数秒前まで、客席を笑わせていた姿の裏側である。それでも「今ここで諦めたらこの先の人生ダメだ」と思い直した。メンバーとファンとなら、この先にもっと楽しいことがあるかもしれない。そんな日は時間が経つにつれて増えてきた。

 後から加わった3人について、白川は「またちょっと色が増えたというか、未来が見えた」と話した。泣いた時間に、新しい色が重なった。

 衣装を変えた7人が戻る。「Bad Genius」「未来図」を経て、「atelier」のアコースティックバージョンへ。5周年を盛り上げるため、葵と比嘉の「うたゆめ」コンビが路上ライブで歌った特別なアレンジを、この日は7人で届けた。

 ♪心の隙間 埋めてくように 好きな事を好きなだけ――。最後に7人の手のひらが重なり、天を向いた。

 続く新曲が、公演タイトルと同じ「だから僕らは色を重ねる」だった。

 ♪ありのままの僕でいられる それを僕らは居場所という
 ♪君×僕=居場所

 比嘉は新曲の初披露を終えてこう言った。「パレパレは『みんなの居場所を作る』と言って活動してきたんだけど、気づいたら、みんなに愛してもらって自分たちも居場所をもらって生まれた、そんな5年間でした」。

 アイドルの価値は一つではない。手の届かない憧れを磨く存在もいる。強烈な世界観を貫くグループもいる。ライブで我を忘れて騒げること、会いに行ける近さを武器にするグループもある。

 パレパレが軸に置いてきたのは「居場所」だった。しかも、それは7人からファンへ与えるだけのものではなかった。自信がなくなった時、メンバー同士で話しているとファンの名前が出るという。誰かが会場へ足を運んだ一日が、別の日には7人を立たせる力になっている。

 「夏がほどく夜」。シャボン玉が舞う2階席で、赤いTシャツを着た、髪を二つに結んだ小さな女の子が身を乗り出し、小さな手でペンライトを振っていた。ここに来る理由も、過ごしてきた年月も、それぞれ違う。それでも同じ場所にいる。

 終盤、「起きて笑おう果報者」でこの日最大級のコールが上がった。間奏で葵と白川が巨大なウェーブを作る。約1時間半、ほとんど歌い踊り続けた7人も、客席も、最後まで声を止めなかった。

 そしてアンコール。

 冒頭の「JAM JAM JAM !!!!!!!」の景色へ戻る。ここまで見れば、ぐちゃぐちゃになった色の意味が違って見える。

 重なっていたのは、7色だけではなかった。オリメン4人で泣いた夜。やめようと思った日。新しい3人が運んできた笑顔。自信をなくした時に思い浮かべたファンの名前。何度も足を運んだ客席。新しく見つけた人。

 一日ずつ、一人ずつ。近道をせずに重ねてきた時間だった。

 「Life is Dramatic」を「5年間の感謝を込めて」と歌い終えると、終演を惜しむ声が続いた。中野は「5年前、デビューした頃はこんなに大きい場所でライブできると思ってなかった」と客席を見た。

 最後は「シャイガール」。

 弱い心を持っていても、いつか憧れていた、なりたい自分になれる――。そんな思いを託し、7人の腕が時計の針のようにサビで交差した。

 2時間3分。

 パレパレが5年間重ねてきたものは、7色のメンバーカラーだけではない。泣いた時間。立ち止まった日。笑えるようになった日。そして、一人ひとりの名前。それらをぐちゃぐちゃに混ぜ込みながら重ねた先に、「ここにいていい」と思える場所ができた。

 白いキャンバスは、5周年で完成したわけではない。11月には次のバンドセットワンマンが待つ。新しい挑戦も始まる。

 だから僕らは色を重ねる。その続きを描く余白は、まだいくらでも残っている。

【セットリスト】 2026年9月8日(火)LINE CUBE SHIBUYA
  Palette Parade 5周年ワンマンライブ「だから僕らは色を重ねる」
1.パレサマ!
2.おとなだもの
3.ときしゅわ!
4.CHO-JO-JUMP
5.パレパレコーシンちゅう!
5.ヴィランズ・ハイ(新曲)
7.ネイビーレゾナンス
8.あくび
9.Bad Genius
10.未来図
11.atelier(アコースティックバージョン)
12.だから僕らは色を重ねる(新曲)
13.夏がほどく夜
14.domino
15.フレフレ
16.gemmy day
17.起きて笑おう果報者
<アンコール>
18.JAM JAM JAM !!!!!!!
19.Life is Dramatic
20.シャイガール

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