「これ以上の肉はない」特産松阪牛が誇りの牛飼い こだわりの先で襲った暗転
2025年2月28日 05時10分 (2月12日 11時32分更新)
【連載】特産松阪牛の誇り ある牛飼いの再挑戦
「松阪牛発祥の地」と呼ばれる松阪市飯南町深野地区で肥育を続けてきた森本武治さんが、今年11月の品評会に向けて再挑戦する様子を1年かけて追っていく。 (この連載は松阪支局・松山聖悟が担当します。随時掲載予定です)
(1)「これ以上の肉はない」特産松阪牛が誇りの牛飼い こだわりの先で襲った暗転(この記事)
(2)出荷目前、松阪牛の死…家業継ぎ30年で初めての苦境 支援金を元に農業法人化
(3)「納得できる牛さんしか手を出したらあかんのさ」 眺めて、触れて「家族」になる1頭を見つける
(4)科学的説明不能「まさに名人芸」 松阪牛の肥育のために棚田で米作り、国産にこだわり
(5)見えない肉を想像しながら育てる「匠の技」 松阪牛の品の良さは「い」形の角にあり
(6)松阪牛にも襲い掛かる連日の猛暑 夏バテに効果的なのはビール!?
(7)「買うてもらうのが勲章」、松阪牛に携わる人なら誰もが知る「和田金」 代々伝わる家憲とは
(8)「おいしさ以上の価値を提供する」 支援続ける料理人、ほれ込んだ特産松阪牛肥育農家の矜持
(9)「頼むぞぉ」、マッサージ中に漏れる本音 6年ぶりの予選へ、特産松阪牛の「美容」磨く
(10)誇りを胸に、特産松阪牛予選会を突破 森本さんの再起をかけた挑戦、最終章へ
(11)高まる緊張感と高揚感、「共進会は農家の生きがい」 特産松阪牛、2年半込めた愛情実る
(12)「あぁ、すごいな。わしは幸せやわ」 3年手塩にかけた命は、涙と決意の味
日本列島へ数年に一度の大寒波が到来した2月上旬。松阪市飯南町深野地区にも雪が降り積もった。「よぉ冷えて、ほんまかなわんな。丈夫に頑張ってくれよぉ」。松阪牛の肥育農家森本武治さん(77)は自宅向かいの小屋で、牛の両頰をなでながら語りかける。気持ち良かったのか、牛も舌を出し、白い息を吐いた。
武治さんは、明治時代から約140年続く肥育農家の3代目。地元の中学を卒業後、松阪市中心部の老舗松阪肉料理店「和田金」に就職。肉を切り分ける精肉部門に勤めた。44歳だった1992年に退職し、2代目の父宇助さんの病気にともなって跡を継いだ。
白猪山(しらいさん)(819メートル)の中腹にある深野地区。...
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