「あぁ、すごいな。わしは幸せやわ」 3年手塩にかけた命は、涙と決意の味
2026年2月12日 05時10分 (2月12日 11時31分更新)
【連載】特産松阪牛の誇り ある牛飼いの再挑戦
「松阪牛発祥の地」と呼ばれる松阪市飯南町深野地区で肥育を続けてきた森本武治さんが、今年11月の品評会に向けて再挑戦する様子を1年かけて追っていく。 (この連載は松阪支局・松山聖悟が担当します)
(1)「これ以上の肉はない」特産松阪牛が誇りの牛飼い こだわりの先で襲った暗転
(2)出荷目前、松阪牛の死…家業継ぎ30年で初めての苦境 支援金を元に農業法人化
(3)「納得できる牛さんしか手を出したらあかんのさ」 眺めて、触れて「家族」になる1頭を見つける
(4)科学的説明不能「まさに名人芸」 松阪牛の肥育のために棚田で米作り、国産にこだわり
(5)見えない肉を想像しながら育てる「匠の技」 松阪牛の品の良さは「い」形の角にあり
(6)松阪牛にも襲い掛かる連日の猛暑 夏バテに効果的なのはビール!?
(7)「買うてもらうのが勲章」、松阪牛に携わる人なら誰もが知る「和田金」 代々伝わる家憲とは
(8)「おいしさ以上の価値を提供する」 支援続ける料理人、ほれ込んだ特産松阪牛肥育農家の矜持
(9)「頼むぞぉ」、マッサージ中に漏れる本音 6年ぶりの予選へ、特産松阪牛の「美容」磨く
(10)誇りを胸に、特産松阪牛予選会を突破 森本さんの再起をかけた挑戦、最終章へ
(11)高まる緊張感と高揚感、「共進会は農家の生きがい」 特産松阪牛、2年半込めた愛情実る
(12)「あぁ、すごいな。わしは幸せやわ」 3年手塩にかけた命は、涙と決意の味(この記事)
年明けから10日ほどが過ぎ、松阪市飯南町深野にある白猪山(しらいさん)(819メートル)の中腹には、寒風が吹き付けていた。「寒くてかなわんけどな、今年も牛さんのために頑張らんとな」。この地で特産松阪牛のみを育てる肥育農家3代目、森本武治さん(78)は自宅前の牛舎で白い息を吐きながら、いつも通り牛に餌を与えていた。
昨年11月下旬に市内で開かれた特産松阪牛の品評会「松阪肉牛共進会」に、6年ぶりに出場した武治さん。出品した「みすとし5」号と「もりやま」号は、競りで高い評価を得た。いつまでも充実感に浸りたいところだが、その後は肥育農家にとって重圧がかかる期間だ。...
この記事・コンテンツの続きは会員限定です。
紙の新聞の定期購読者の方は、無料で会員登録できます。
- 中日プラスに登録すると
- 中日新聞電子版が利用できる
- 会員向け記事が読み放題
- 各種メールマガジンで最新情報をお届け
※紙の新聞とは、中日新聞朝刊・北陸中日新聞朝刊・日刊県民福井です。
おすすめ情報