誇りを胸に、特産松阪牛予選会を突破 森本さんの再起をかけた挑戦、最終章へ
2025年11月19日 05時05分 (2月12日 11時37分更新)
【連載】特産松阪牛の誇り ある牛飼いの再挑戦
「松阪牛発祥の地」と呼ばれる松阪市飯南町深野地区で肥育を続けてきた森本武治さんが、今年11月の品評会に向けて再挑戦する様子を1年かけて追っていく。 (この連載は松阪支局・松山聖悟が担当します。随時掲載予定です)
(1)「これ以上の肉はない」特産松阪牛が誇りの牛飼い こだわりの先で襲った暗転
(2)出荷目前、松阪牛の死…家業継ぎ30年で初めての苦境 支援金を元に農業法人化
(3)「納得できる牛さんしか手を出したらあかんのさ」 眺めて、触れて「家族」になる1頭を見つける
(4)科学的説明不能「まさに名人芸」 松阪牛の肥育のために棚田で米作り、国産にこだわり
(5)見えない肉を想像しながら育てる「匠の技」 松阪牛の品の良さは「い」形の角にあり
(6)松阪牛にも襲い掛かる連日の猛暑 夏バテに効果的なのはビール!?
(7)「買うてもらうのが勲章」、松阪牛に携わる人なら誰もが知る「和田金」 代々伝わる家憲とは
(8)「おいしさ以上の価値を提供する」 支援続ける料理人、ほれ込んだ特産松阪牛肥育農家の矜持
(9)「頼むぞぉ」、マッサージ中に漏れる本音 6年ぶりの予選へ、特産松阪牛の「美容」磨く
(10)誇りを胸に、特産松阪牛予選会を突破 森本さんの再起をかけた挑戦、最終章へ(この記事)
(11)高まる緊張感と高揚感、「共進会は農家の生きがい」 特産松阪牛、2年半込めた愛情実る
(12)「あぁ、すごいな。わしは幸せやわ」 3年手塩にかけた命は、涙と決意の味
アスファルトの地面に石灰で1~10の数字が書かれ、牛が1頭ずつ並ぶ。向かい合う形で男性らがじっと立ち、時折、動こうとする牛を制す。水色の作業着姿の審査員が順番に回ってきて、牛の体を四方八方から眺めていく。審査員の目が次の牛に移ると、牛も飼い主も緊張が少し和らいだように見えた。
小雨に見舞われた10月25日。全農みえ松阪家畜市場(松阪市大津町)で、11月23日に催される特産松阪牛の品評会「松阪肉牛共進会」の予選会が開かれ、29農家が66頭を出品した。本選に出場する50頭が選ばれる最初の関門。同市飯南町深野の肥育農家3代目、森本武治さん(77)は2頭を連れてきた。
「もりやま」号と「みすとし5」号だ。廃業寸前まで追い込まれた森本さんが、知人らの経済的支援を受け、2022年12月に導入した2番目と翌年5月に育て始めた5番目の牛。900日以上の肥育を経てようやく、評価を受ける。予選とはいえ久々の表舞台に、森本さんは緊張感に包まれていた。...
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