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【実録 竜戦士たちの10・8】(64) 今中慎二に続き山本昌広0封快投 しかし「勝利の方程式」は…

2025年3月14日 23時13分

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◇長期連載【第2章 それぞれの再出発】
 今中慎二が4イニング無安打の力投を見せれば翌日の1994年3月27日には、中日が誇るもう一人の左腕・山本昌広も負けじとオリックスを相手に6イニングを投げ被安打3、無失点の快投を演じた。
 「真っすぐがよくない。それにカーブも、もう少し…。スッポ抜けが多かったから、昨日も(昨年)4月のビデオを見た。でも、気持ちの方は入ってきています。きょうも良い緊張の中でマウンドに上がっている」
 自己採点が厳しくなるのは、それだけ高いところに目標を設定していればこそだろう。
 「真っすぐとカーブに、もう少しキレがほしい。真っすぐがあと3キロ速くなれば、ピッチングももっと楽になる。悪いところは十分、分かっているんですけどね」
 ぜいたくな課題を並べ立てると「でも、もう少し腕の振りは良くなるはず。開幕は心配していないですけどね。去年より今年の方が随分いい。よっぽど余裕がありますよ」と笑みがこぼれた。

1994年3月28日の中日スポーツの紙面

 4月1日からセ・リーグは東京ドーム、パ・リーグは福岡ドームでトーナメント戦が行われるため、31日にオープン戦が終了。中日は10勝10敗1分けの12球団中6位で終えた。
 落合博満に代わる新4番パウエルは49打数21安打。打率4割2分9厘と、さすがの安定感に加え、3戦連発で締めるなどオープン戦最多の6本塁打。「何よりも今年はチームの優勝を考えたい」と意気込んだ。
 順調に仕上がる今中、山本昌の両左腕に、パワーアップしたP砲…。だが、その一方で、31日のヤクルト戦(神宮)では守護神候補のヘンリーでサヨナラ負け。いまだ「勝利の方程式」が解けぬまま開幕は刻一刻と迫っている。
 創立60周年を迎えた巨人はオープン戦最終戦も敗れ6勝12敗1分けの11位。それでも、こちらも悪い話ばかりではない。最後に長嶋茂雄監督を笑顔にしたのは、背筋痛でキャンプからずっと1軍を離れていた松井秀喜だった。
 29日に1軍昇格すると、いきなりスコアボード直撃の大アーチ。「悔しいけど、やっぱり大物だな。結果を出されると何も言えないよ。タイミングも取れてたし、全く問題なし」と打撃コーチの中畑清。2安打、2打点。さらに盗塁も決める活躍で、2年目「ゴジラ」が初の開幕1軍に滑り込んだ。 =敬称略

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