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【実録 竜戦士たちの10・8】(79)中日、初の4連敗で3位転落…巨人とのゲーム差広がり最初の正念場が

2025年4月25日 23時54分

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中日の4連敗を伝える1994年5月8日付本紙


◇長期連載【第3章 走る巨人、もがく竜】
 ヤクルトに手痛い連敗を喫した中日と、依然として快調に白星を積み重ねる巨人の1994年2度目の対戦は5月6日からの東京ドームでの3連戦。初戦に中日が開幕から4連勝中の山本昌広を先発に立てれば、巨人は2完封を含む3勝1敗の斎藤雅樹が中6日で先発のマウンドに上がった。
 試合は1回裏にいきなり動く。巨人は1死後、川相昌弘が中前打、松井秀喜が右前打で続き一、三塁とすると、4番・落合博満の中犠飛で1点を先制した。
 「シンカー。ホームランボール?そういうボールだよ。外野フライを打ちにいったから、ああいうふうになるんだ」と落合。終わってみれば東京ドームのスコアボードに記された得点は巨人が初回に挙げたこの1点だけ。あとは16個、ズラリと「0」だけが並んだ。
 「今日は先制点をやった方が負けるゲームだったんです」。7イニング1失点の力投をみせながら無援護に泣いた山本昌は「打線に点を取ってもらうこともある。今日は零点に抑えなければ勝てないと思っていたから、仕方ないです」と、気丈に94年初黒星を受け入れた。
 山本昌、落合英二のリレーで許した安打はわずかに3本。初回以降はグラッデンの二塁打1本と完璧に巨人打線を抑え込んだ。逆に、中日は斎藤から7本の安打を放ちながらホームが遠かった。
 「出直しだよ。ボールばかり振っていたら話にならない」と悔しさをあらわにしたのは4回1死一、三塁の同点機で二飛に倒れたキャプテンの仁村徹だった。「ボール気味の球。高めの球が浮いてくるのは分かっていたのに」と唇をかんだ。
 これで巨人は17勝7敗とし、藤田元司監督のもと、リーグ優勝を果たした90年以来4年ぶりに貯金を2桁に乗せた。両チームの勢いの差は翌7日にも表れる。この試合、中日は2度リードを奪ったものの、8回に追いつかれると、9回には松井の二塁打から1死満塁とされ、最後は小島弘務が岡崎郁にサヨナラ打を浴びた。
 「最後までギブアップせずに、よく戦った。勢いというより、選手に自信みたいなものが出始めているね」。相好を崩しっ放しの長嶋茂雄監督が「明日は今中(慎二)ですか?あの大エースを打てれば…」と中日に3連勝、早くも2度目の5連勝に思いをはせた。
 一方、初の4連敗で貯金も使い果たした中日は3位に転落し、首位・巨人とのゲーム差も5・5に。この年、最初の正念場が訪れた。=敬称略

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