本文へ移動

【実録 竜戦士たちの10・8】(139)中止になった巨人戦は10月8日に…「そこまで全部勝たんといかん」”明日なき戦い”宣言の中日・高木監督

2025年9月19日 23時18分

このエントリーをはてなブックマークに追加

竜8連勝を報じる1994年10月2日付の本紙


◇長期連載【第4章 決戦までの100日間】
 1994年9月29日の中日―巨人戦(ナゴヤ)は予報通り台風26号の接近により午後2時に中止が決定。その日のうちに10月8日に振り替えが決まった。
 「そこまで全部勝たんといかんでしょ。明日を考えても仕方がない。今中(慎二)、郭(源治)が抑えでいくこともある。彼らが後ろにいれば、チームも安心感がある。とにかく、今はベンチのムードが最高ですよ」
 中日の高木守道監督が”明日なき戦い”を宣言すれば、巨人の長嶋茂雄監督は初めて監督として宙に舞った76年を思い起こしていた。
 「そういえば、あのときも最後に決まったんですよね。思い出しますよ。最終戦に勝つ! へ、へ、ヘッ」。長嶋らしく陽気に笑うと「残り試合はプレーオフのつもりで。投手は3人(斎藤雅樹、桑田真澄、槙原寛己)でまかなえるでしょ」と、こちらも三本柱で必勝の青写真を描いた。
 ただ、気がかりなのは、ここ3試合でわずか1得点の打線。松井秀喜、元木大介ら8人を川崎市のジャイアンツ球場に集め、午後7時からナイター練習。長嶋もスーツ姿のまま駆け付け「おい、松井! フォームにこだわりすぎなんだ。もう、脚がどう、手がどうと言ってるときじゃない。もっと野性味のあるスイングをしろ」とゲキを飛ばした。
 そして月も変わり10月1日。まず7連勝中の中日はデーゲームで横浜戦(ナゴヤ)。先発野手全員安打で6点の援護をもらった山本昌広が8回に2点差に迫られると、3日前の巨人戦に先発した郭がマウンドへ。「あと1球コールを聞くと、優勝したとき(88年)を思い出したよ」と好救援で首位を守った。
 これが監督通算200勝目となった高木だが「えっ、そうなの? そんなの、どうでもいいよ」と自身の話題は笑い飛ばし、「1つ壁をクリアした。また明日ですよ、明日」と前だけを向いた。
 この時点で中日に0・5差先んじられた巨人はナイターでヤクルト戦(東京ドーム)。球場全体がザワついたのは試合前。先発メンバーに松井の名前がなかったのだ。前日の練習で左手親指の付け根あたりのマメがパックリ割れ、この年初のスタメン落ちとなった。
 試合は槙原が3安打完封で、ようやく連敗を4でストップ。「槙原君に尽きます。よく投げてくれた」と長嶋。6回に代打で出場、遊ゴロに倒れた松井は「マメ? 全然、大丈夫。残り4試合にぶつけます」とキッパリ。優勝はピタリと並走する、この2チームに絞られた。 =敬称略

関連キーワード

おすすめ情報

購読試読のご案内

プロ野球はもとより、メジャーリーグ、サッカー、格闘技のほかF1をはじめとするモータースポーツ情報がとくに充実。
芸能情報や社会面ニュースにも定評あり。

中スポ
東京中日スポーツ 電子版