特攻できず「悔しい」と泣いた 16歳の心に終生刻まれた「かせ」
2026年9月5日 05時10分 (9月6日 14時58分更新)
【連載】16歳の神風
終戦から81年がたち、戦争の体験者が少なくなってきた。記憶の継承が困難になる中、本紙は読者から寄せられた手記を基に戦争の実相を探る取材を続けている。今回は名古屋市出身の特攻隊員、故前田長明(ながあき)さんの家族による手記から、16歳の少年が背負った過酷な任務や葛藤を3回にわたって紹介する。
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特攻出撃も不時着、祖父が命つないだ南の孤島 通夜の晩「黒島の者です」突然の来訪者が語る過去
名古屋市昭和区出身の元特攻隊員、前田長明(ながあき)さんは83歳だった2012年2月、愛知県東郷町の自宅で息を引き取った。太平洋戦争末期の1945年5月、旧海軍の九七式艦上攻撃機で鹿児島県の串良(くしら)基地から出撃したが、エンジンの不調で海に不時着。同県の離島、黒島に泳ぎ着き、島民の世話を受けて生き延びた。
義娘の佳代子さん(64)は、遺品を整理していて長明さんが書いた手紙の下書きを見つけた。九七艦攻の機長だった元海軍少尉、江名武彦さん(2019年に96歳で死去)にあてたもの。世話になった黒島へ行こう、という江名さんの誘いを断る内容だった。...
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