第97回都市対抗野球大会が開幕。今年も地域・企業の意地がぶつかり合う熱戦が繰り広げられている(撮影・浅野直哉) 社会人野球日本一を決める第97回都市対抗野球大会が26日に東京ドームで幕を開けた。東京六大学野球の1925年に次ぐ27年に始まったその歩みは、36年にスタートしたプロ野球をもしのぐ歴史を誇る。一発勝負のトーナメント制で、今年も地域・企業の意地がぶつかり合う熱戦が繰り広げられている。
開幕前には各大学で出身選手たちのOBによる激励会が開かれた。私の母校、法政大学でも例年通り、24日に法友野球倶楽部(OB会)のメンバーらが市ケ谷キャンパスに集い、本大会へ挑む後輩たちへエールを送った。この激励会は夏の終わりの風物詩にもなっている。
激励会では、千葉県から駆けつけた参加者が「君津は都市対抗に出場するかどうかで町全体の盛り上がりが全く違う」と地域との深い絆を語っていた。1回戦で対戦するチームのメンバーが顔を合わせた場面では「法政大の出身選手として、恥ずかしくないプレーをしたい」と表情を引き締めていた。
社会人野球を取り巻く環境は決して平坦ではない。強豪セガサミー野球部の廃部(今季限り)や、名門パナソニックの休部発表(同)と寂しいニュースが相次いだ。セガサミーはアルフレッサが運営を引き継いだ。日産自動車のように復活を遂げた野球部もあるが、これはごくまれなケースであり、全体として企業スポーツを取り巻く環境は厳しい時代といえる。
その中で、東京ドームへ駒を進めた選手やスタンドの応援団は、全力投球で企業と地域の誇りを懸けた戦いを繰り広げている。大会が盛り上がれば、社会人野球への風向きも変わる。出場選手のほとんどは、この舞台から再び次のチャンスを狙う若者たちであり、選手たちの夢も交錯する。
高校野球の甲子園が終わり、プロ野球も巨人は東京ドームを離れて週末は阪神との直接対決を迎える終盤戦だ。その一方で、これから社会人野球で夢をつかみ取ろうと、東京ドームで人生を懸けて挑む後輩たちを応援せずにはいられない。(サンケイスポーツ専属評論家)