ひとつの時代が幕を閉じた。ヤクルト・石川雅規投手(46)が今季限りで現役を引退。引退試合となった10月3日の中日戦(神宮)では、多くのファンと選手、関係者が詰めかけ、〝最後の瞬間〟を見守った。
〝小さな大投手〟といわれたレジェンドの背中を見て、感銘を受けた一人が高橋奎二投手(29)だ。2016年に龍谷大平安高校からドラフト3位で入団。同じ左投手として、すでにプロ野球界で多大なる実績を挙げていた大先輩だっただけに「テレビで見ていた人」が第一印象で、思い出は「全部。会話一つにしてもそう。ご飯に行ったことも全てです」と感慨深げに振り返った。
石川が技巧派であるとすれば、高橋は速球派。同じ左投手でもタイプは違うが、学ぶことは多かった。「野球だけじゃないですね。日常生活も全部ですね。石川さんの人間性のすごさは見ていて伝わってくるというか、『こういう人だからこれだけ長い間野球はできるんだ』と感じました」。齢を重ねても向上心は衰えず、常に新しいものを探して必死に汗を流す姿は高橋の脳裏に深く焼き付いている。
「石川さんは朝早く来て準備したり、背中で見せてくれた。僕も試行錯誤しながら、準備をしっかりするようになった。そういったところは後輩にも伝えていければいいのかなと。タイプは違うけど、一番は何とか結果で何とか見せたい。やっぱり結果を残すことがいい恩返しになると思うので、頑張ってやっていきたい」
引退会見に登場した(左から)奥川恭伸、高橋奎二、小川泰弘(同3人目)、山野太一(同4人目)から花束贈呈を受け、記念撮影に臨む石川雅規 引退間際には、石川からキャッチボールを褒めてもらった。ささいなことだが、高橋にとっては大きな出来事。「認められてるかどうか分からないけど、常に『キャッチボールが大事だよ』って言われていて、意識してやっていた中で、最近認められたのがすごくよかった」と振り返った。
プロ11年目のシーズンを終えた高橋。今季は19試合に登板したが5勝7敗、防御率4.33と納得いく数字は残せていない。周囲の〝雑音〟は気にしなくていい。石川に成長した姿を見せるためにも、2027年シーズンは圧倒的な成績を残してほしい。(赤尾裕希)