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【ウルフの部屋#3】WOLF「ゴツゴツの戦い」YOH「僕を全う」 描く唯一無二の王者像

[ 2026年10月27日 05:00 ]

<ウルフの部屋>対談を行ったウルフアロン(左)とYOH(撮影・島崎忠彦)
Photo By スポニチ

 新日本プロレスのNEVER無差別級王者ウルフアロン(30)がホストを務める対談企画「ウルフの部屋」。ゲストの第100代IWGPジュニアヘビー級王者YOH(38)は唯一無二のトリックスターだ。ド派手なコスチュームに奇抜な行動、アートや音楽にも精通しており“100代に1人の逸材”はぶっ飛んだ多面性が魅力。2人の王者による本音たっぷりのトークバトルを見逃すな。

 《シンプルな技が似合う》 ウルフ 10・12両国大会では2人ともタイトルマッチ。YOHさんは丸め込みで勝ちましたね。

 YOH ロビー・イーグルスさんは膝攻めが得意で、こっちもダメージが蓄積して最後は動けなくなった。それで奥の手でアレを出した。前哨戦でロビーさんに決めると勝率100%。4度目の防衛となったけど作戦勝ちだね。

 ウルフ ボクはジュニアヘビーの藤田選手と戦って初防衛した。ずっと藤田に「デブ、デブ」と言われ続けた。1カ月以上、前哨戦をやって最後が両国。ある意味「疲れ」というよりも「飽き」が来ますね。やろうとしている戦術も尽きてくる。G1クライマックスでいろんな選手と戦った後の1カ月だったので、もっと他の人と試合したいという欲求もありました。

 ――フィニッシュホールドは新技「目覚めのウルフ」。

 ウルフ ボクがパーソナリティーを務めるTBSラジオ「目覚めのウルフ」で新技を募集したんです。それでラジオ名を、そのままつけました。

 YOH 普通のボディースラムの形が崩れたのかと思った。

 ウルフ ひどいっす。足を持ってやるパワースラムの進化版。ラジオで「ジャックハマー(※1)がいいんじゃないか」という意見があった。そこで持ち方はパワースラムで、全体重を浴びせる形にした。今後はブレーンバスターのように持ち上げて、そこから空中で体を持ち替えようと思ってます。
 (※1)米レスラー・ゴールドバーグの必殺技。ブレーンバスターの要領で持ち上げ、体を反転させ、相手に体を浴びせかける形でマットに叩きつける。

 YOH 力がないとできない。さすが金メダリスト。安定感があるもんな。腰が強い。

 ウルフ でも藤田はボクにジャーマンスープレックスを2回決めましたからね。あの人は負けん気で投げてる。柔道だったら一本負けの投げられ方。でも柔道じゃないんでね。

 YOH 確かにルールが違う。

 ウルフ 今回初めて気づきました。試合しながら2回投げられて「あっ、これでも負けねえんだな」って。2回目のジャーマンを食らったあとに、すぐ立ち上がってラリアットにいった。だいぶんラリアットも形として出来上がってきた感じです。

 YOH ああいうシンプルで単純な技がウルフにはよく似合う。素材がいいからさ。変わったことはやらない方がいい。最後に藤田にかけた変形のジャックハマーみたいなヤツ。あれだけはやめた方がいい。

 ウルフ そんなこと言うのやめてください!これからアレでやっていこうと思ってるんですから。

 《衣装にメッセージ込め》 ウルフ YOHさんの入場コスチュームはメチャクチャ派手。何かメッセージを込めているんですか。

 YOH 今回の衣装は「最高」というメッセージ。これは「新日本プロレスの歴史上、最高のチャンピオンになる」という意味で作った。

 ウルフ 6月の「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア」は「プレイボーイ」の衣装。米袋やジップロックの時もありましたね。

 YOH 米袋は世間が「備蓄米、備蓄米」って言っていた時。社会情勢に切り込んでいくのが、アーティストでもあるからね。友達に職人さんがいて全部その方が作ってくれる。ジップロックは去年のスーパージュニア。「鮮度を保つ」がテーマだったね。

 ウルフ 一つ一つに意味がある。それで靴はいつもバスケットシューズ。

 YOH 10年くらいずっと。コスチュームに合わせて靴も替える。ジュニアの選手はよく跳ぶじゃないですか。着地する時に安定感がある。

 ウルフ 僕がバッシュを履くと足首がグキッといきますよ。リングシューズは意外と足首を固定してくれる。初めて知りましたけどファッションだけでなくアートにも詳しい。

 YOH 趣味だね。知り合いに画家がいて「絵を描きませんか?」って言われたのがきっかけ。それが7、8年前。最初に画材をもらって絵を描いたの。でも、やっぱりうまくならない。造形物を作ったり、DIYも好きだから、いろいろ試してみた。一番面白いと思ったのはコラージュ。古い雑誌を買ってきて良いなと思ったページを切って貼っていく。一見バラバラの素材なんだけど、それを一つの絵にしていく。

 ウルフ 音楽も好きなんですね。レコードを1000枚以上所蔵。好きなものを集めるのは良い趣味。練習中ではあまり音楽を聴かないそうですけど、集中して部屋で聴いたりするんですか。

 YOH オールジャンル聴くけど、リラックスしたい時は家でジャック・ジョンソン(※2)かな。練習中は有線のイヤホンだから物理的に聴くのは無理。だから器具のぶつかる音を聞いてる。ジムに行ったら、ジムでしか聞けない音がある。道場は道場の音。あれを後々録音して何かにサンプリングしたい。曲を作っていきたい。
 (※2)米シンガー・ソングライター。アコースティックポップのジャンルで知られる。元プロサーファー。
 ウルフ 音を組み合わせて…本当ですか!?

 YOH 実は今思いついた。

 ウルフ 本当に真顔でウソをつく。僕は半年くらいして理解しました。その場が盛り上がればいい人なんで。

 ――音楽界で影響を受けた人物は。

 YOH デビッド・ボウイ(※3)。その時々で自分を変えていったスタイルを尊敬しています。彼の本を読んだり、動画を見ていた時期があった。それで気付きがあった。独自の世界をつくった人。今のアーティストでも「好きです」「参考にしています」という方がいらっしゃる。それにしても、最近この曲知っているけどアーティスト名は何だっけ?ってなることが結構多くてビックリしています。
 (※3)音楽だけでなく、ファッション、芸術、映像の世界でも世界に大きな影響を与えたロック界のレジェンド。大島渚監督の映画「戦場のメリークリスマス」(83年)にも出演。

 ウルフ うわ~っレスラーだな。ボクも結構ある。ここ1年くらい増えました。

 YOH やっぱり、これは受け身で頭打ってるせいかな(笑い)。

 《巻かれずに従えている》 ウルフ 100代目の王者像は?

 YOH 唯一無二。「あいつが一番本当に面白かった」と言われたい。ベルトを巻いたら変わっちゃうヤツいるじゃない。ベルトに巻かれてしまうというか。オレはそうじゃなくて従えている。

 ウルフ 6月の王座奪取から凄いペースで防衛戦をしている。

 YOH 規定は「半年に1回」でいい。断る権利もある。でも今のところは断ってない。流れ的に次のタイトル戦は1・4東京ドームか。そこまでは持っていきたい。100代目ですから「100回防衛します」と言ってる。年に7、8回防衛戦やって10年以上。

 ウルフ 50歳になりますよ。

 YOH がんがん丸め込んでいくから!

 ウルフ そんなの見たことないですよ(笑い)。

 ――NEVER王座への思い入れは。

 ウルフ このベルトだけ体重が関係なく誰とでも試合ができる、今回ジュニアの選手と試合させてもらって、いろいろ学べるところもあった。次はゴツゴツの戦いがしたい。どっちが最後に立っているか、みたいな試合をしたい。

 YOH プロレスは武骨さが魅力だもの。

 ウルフ 漢字でいうところの「漢(おとこ)」ですね。NEVERの歴史を飾った柴田勝頼さんや石井智宏さんは格好いいですもん。そっちを目指していた時期はあるんですか。

 YOH 憧れはあるけどオレは奇抜の「奇」。誰もやっていないことを常に考える。シングル(王座)に手が届かない時。もう一段、二段上がれるかと思った時に考えたね。

 ウルフ 一皮むけないといけない部分は何なのか。武骨にならずにいきましたね。

 YOH 武骨のイメージはないね。フニャフニャだね。

 ――エースの覚悟とは。

 YOH そこにとらわれたくない。新しいジャンルというか、自分のスタイルを確立させたい。自分のやったことに対して、付随してくるものだと思うんですよ。だから僕は僕を全うする。それだけです。なんか格好よくないすか。

 ウルフ 最後にそれを言うことで締まりましたね。

 YOH でも、やっぱりどこかフワフワしてるでしょ(笑い)。

 《10・12両国大会でともに防衛》 10月12日の東京・両国大会でNEVER無差別級王者のウルフはジュニア戦士の藤田晃生(24)を変形パワースラムの新技「目覚めのウルフ」で粉砕。第52代王者として初防衛を飾った。一方、YOHは難敵ロビー・イーグルス(36)を起死回生の返し技「ファイブスタークラッチ」で下し、4度目の防衛を果たした。

 ◇ウルフ アロン 1996年(平8)2月25日生まれ、東京都葛飾区出身の30歳。6歳から柔道を始め、高校ではインターハイなど3冠。21年の東京五輪柔道男子100キロ級で金メダルに輝く。26年1月4日のEVIL戦でデビュー。NEVER無差別級王者。1メートル81、115キロ。

 ◇YOH 1988年(昭63)6月25日生まれ、宮城県出身の38歳。12年2月に入門し、11月にデビュー。17年に第54代IWGPジュニアタッグ王者となる。26年ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア初優勝。同6月にDOUKIを破り第100代IWGPジュニアヘビー級王者となった。趣味はレコード店巡り、DIY、ミシンなど。20年からステップオーバーアートブリーカー展にアート作品を出品。1メートル71.5、85キロ。

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