Sadie美月「俺たちにはまだ可能性が…」 新作「PANDRA」で“予定調和”を壊した盟友の覚醒

[ 2026年10月12日 12:05 ]

Sadie美月「楽曲にとって何が最適か」11年ぶり新作『悪の花』で魅せた成長
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 11年ぶりの完全新作「悪の花」で帰還を強烈に印象付けた5人組ロックバンド「Sadie」。5人は次なる一手として、12月、実に12年ぶりとなるフルアルバム「PANDRA」をリリースする。約8年半の活動休止を経て、再び5人で音を重ねる今、どんな景色を見つめているのか。ギターの美月がスポニチの単独インタビューに応じ、全曲新曲となる今作の制作の裏側と、盟友が見せた“新たな顔”への驚きを明かした。(ヴィジュアル系特集取材班)

 過去のヒット曲を集めたベスト盤でもなく、昔の曲の再録でもない。完全なる新曲だけで構成されたフルアルバムを世に問う。それは、Sadieが今を生きる現役のロックバンドであることの何よりの証明だ。

 12年という途方もない歳月は、バンドの内部に静かで決定的な進化をもたらしていた。美月は今作の中身について「メンバーの趣味嗜好であったりセンスが色濃く出るので、バラエティに富んだアルバムになる」と自信をのぞかせる。

 特筆すべきは、その制作過程における“ある大きな変化”だ。これまでのSadieの歴史において、楽曲制作を担うのは決まって「4人」だった。それぞれが個性をぶつけ合い、時に衝突しながら妥協なき音を紡いできた。しかし今作では、ついに最後のピースが埋まる。「今回はバンド史上初めて、全員が曲を出してきたんです」。

 その“史上初の試み”の中で、バンドに最も新鮮な風を吹き込んだのは、これまで作曲陣に名を連ねていなかったドラムの景(けい)だった。「前例がなかったので、『意外とこういう感じなんだ』という驚きがありました」。初めて彼が提出したデモ音源を聴いた瞬間、美月は思わずうなった。メロディやギターのリフから世界観を構築していく弦楽器隊のセオリーとは全く違うアプローチ。「やっぱりドラマーですし、リズムからいくので。リズムのアプローチが面白いというか、こだわっている曲になっている」。それは、ベテランバンドに「俺たちにはまだこんな可能性が眠っていたのか」という歓喜と刺激をもたらした。

 長年、ステージの最後方から誰よりも俯瞰でバンドを見つめ、土台となるリズムを刻み続けてきた男。その盟友が、新作で初めて見せた見知らぬ引き出し。それは、酸いも甘いも噛み分けてきたベテランバンドに「俺たちにはまだこんな可能性が眠っていたのか」という強烈な歓喜と刺激をもたらした。

 長く同じメンバーで活動を続けていると、どうしても予定調和や暗黙の役割分担が生まれてしまう。しかし、その殻を自らぶち壊した。長年連れ添った仲間同士であっても、互いの新しい一面を引き出し合い、まだ見ぬ高みへといくことができる。

 「他のメンバーも曲を書けるというのは、僕らにとって結構大きい。それぞれメンバーのカラーが違うようなアルバムになるんじゃないかなと思っています」。互いを信じ、今なおアップデートを続ける5人が鳴らす、底知れぬ希望の音だ。

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