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【実録 竜戦士たちの10・8】(68)今中慎二がまさかの4失点…優勝候補の『3強』で中日だけが連敗スタート

2025年4月1日 12時51分

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1994年4月10日の中日スポーツ1面

1994年4月10日の中日スポーツ1面

◇長期連載【第3章 走る巨人、もがく竜】
 1994年4月9日の土曜日。プロ野球はセ、パ両リーグが一斉に開幕した。中日は本拠地ナゴヤ球場に横浜を迎えての開幕戦。まっさらのマウンドに上がったのは前年の沢村賞投手、今中慎二だった。
 オープン戦では20イニングを投げ、わずかに2失点。スタンドに詰めかけた3万5000大観衆の多くは、エースがスコアボードに0を並べての中日の快勝発進を期待していたことだろう。
 だが、先頭打者の高橋雅裕に追い込んでからのフォークを左前打されると、1死二塁で駒田徳広に1ストライクからの2球目を詰まりながらも左前に落とされ先制を許す。さらに2死後、ローズには90キロのカーブを左翼席に運ばれ、いきなり3点を奪われた。
 今中は4回にも駒田に適時打され序盤でまさかの4失点。打線も5回、中村武志と代打・山崎武司の適時打で1点差としたが、横浜の継投策の前に反撃を断たれた。
 「こちらで話しましょうか」。中日監督の高木守道は報道陣を火鉢の周りに招き寄せると「今中も先に負けたことでピリッとするでしょ。ガタガタと崩れたわけじゃない。立ち上がりの緊張にやられただけだから」と、穏やかな表情で敗戦を振り返った。
 監督就任3年目で初めての黒星スタートにも「これまで白星で始まってダメだったから、今年は良いんじゃないかと考えるよ」とジョークさえ交え答えた。
 一方、東京ドームで広島を相手にナイター開幕となった巨人は3番・右翼で出場した2年目の松井秀喜が初回、北別府学から右翼席に2ラン。4回には紀藤真琴の初球を今度は左翼席に運ぶなど4打数3安打5打点の大暴れ。落合博満も中日時代にはなかった8年ぶりの開幕戦アーチを左翼席にたたき込み、11ー0で完勝した。
 「開幕? 初めてですからね。緊張よりワクワクって気持ちの方が大きかったですね。ホームランは出来過ぎです」と松井が言えば、落合も「松井? いい刺激になりますよ」とニヤリ。
 3連覇を狙うヤクルトも神宮で阪神に快勝。野村克也監督は「きょうは記事はいらんやろ。松井が打ったらしいな。いいねぇ」と言いながらも上機嫌。翌10日も中日は打線が斎藤隆に2安打に封じられ完封負け。巨人、ヤクルトは連勝。戦前の予想ではV候補と見られた3強の中で、中日だけが連敗スタートとなってしまった。=敬称略

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