【実録 竜戦士たちの10・8】(111)山本昌から今中慎二へ…球宴前ならではの豪華リレーで止めた連敗 首位巨人とは9・5ゲーム差
2025年7月11日 22時04分
1994年7月16日。
札幌で巨人との直接対決に負け越した中日は、この日から神宮でヤクルトを相手に球宴前最後の2連戦に臨んだ。初戦は5回表を終わって4点をリード。前回登板(10日・阪神戦)で完投勝利を挙げた佐藤秀樹も無難な立ち上がりを見せたが、そんな楽勝ムードが守りのミスから一変する。
まず、5回裏2死一塁で飯田哲也の何でもない中飛をパウエルがまさかの落球。2死でスタートを切っていた古田敦也がかえり1点。さらに、6回は佐藤の暴投で1点を許し、なお2死満塁のピンチで遊撃・山本保司が難しい打球に追いつきながら一塁へ悪送球(記録は安打と失策)。フルカウントで自動的にスタートを切っていた走者が全て生還し、逆転を許してしまった。
「草野球だな。あんなミスは考えられん。ここ数試合はああいう凡プレーやミスが多すぎる」と高木守道監督もあきれ顔だったが、全て1点差での3連敗で借金は4月16日以来の2に。逆に、槙原寛己が虎の子の1点を守り横浜を完封し、3戦連続1点差勝ちの巨人とのゲーム差はこの年最大の10・5まで開いた。
もうあとのない17日は12日の札幌で巨人を相手に完封勝利を挙げた山本昌広が中4日で先発。大豊泰昭が3回に左腕・山部太から右中間にホームランキング争いで単独トップに立つ21号3ランを放つと、5回には一本足打法のタイミングを崩しにかかる小坂勝仁から右翼席上段に2打席連続となる22号アーチをたたき込んだ。
そして、7回に山本昌がクラーク、桜井伸一に本塁打を浴び2点差に迫られると、高木は迷わず今中慎二を投入。球宴前ならではの豪華リレーでヤクルトの反撃を退け、何とか連敗をストップ。38勝39敗、借金1の3位で球宴休みを迎えることになった。
貯金20での折り返しを目指した巨人は横浜に敗れたものの、48勝30敗で2位・ヤクルトとは8・5ゲーム差。長嶋茂雄監督にとっては1次政権時代の77年以来、17年ぶりの球宴首位ターンとなった。
巨人との9・5ゲーム差について、「ゲーム差はものすごく大きいが、そんなことは言ってられない」と高木。さらに、「まだまだ、ひと泡ふた泡吹かせるつもり。ギブアップしない気持ちが大切なんだ」。5日間の球宴休みが明ければ、後半戦スタートの相手はいきなり巨人。自らを奮い立たせるように言った。=敬称略
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