5日開幕夏の甲子園 栗山英樹氏、球児へ贈る言葉――「暑さを熱さで超えて行け!」

[ 2026年8月5日 05:00 ]

栗山英樹氏「日本の至宝 こころの故郷 甲子園」
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 侍ジャパン元監督で日本ハムチーフ・ベースボール・オフィサー(CBO)の栗山英樹氏(65)が4日、5日開幕の第108回全国高校野球選手権大会に出場する球児たちへ熱い詩を贈った。「日本の至宝 こころの故郷 甲子園」と題し、酷暑が進む中で108回を迎えた大会で球児たちの熱い姿が人々の心へ爽快な風を送り込み、高校野球の「これから」を示してくれることを強く願った。この日は甲子園球場で、猛暑対策により午後4時から開会式のリハーサルが行われた。

 この夏、地方大会を回っていて感じたことがある。高校野球を熱く見てくれる人たちが増えてきているのではないか、と。野球が過渡期を迎え、酷暑は激しさを増す。これから高校野球がどういう姿になっていくか、どういう形でやらなければいけないか。それを見てくれる人たちに表現する。108つあるという煩悩、その全てを超えて「高校野球ってこうあるべきなんだ」と球児たちが見せてくれる。そんな甲子園になるのではないか。

 監督時代、何かに必死に向かっていく「熱さ」が人の心に火を付ける、と学んだ。そういう「熱さ」を見せてほしい。きっとそれは見る人の心に涼風を送り込んでくれる。

 私の高校(創価)最後の夏は、79年の西東京大会4回戦で東大和に3―10の7回コールド負けだった。その夏の甲子園で、阿久悠さんが「最高試合」と書いた試合がある。箕島(和歌山)―星稜(石川)の3回戦、延長18回の激闘だ。既に受験勉強を始めていた私は、その試合を見た後、犬の散歩に出て凄く落ち込んだ。同じ高校生があんな感動的な試合をしたのに、3年間必死にやった最後がコールド負け。情けなさと悔しさ…今もその思いは消えない。だけど、あの日「このままじゃ駄目なんだ」と抱いた気持ちがあったから今までやってこられた。甲子園は遠い。でも、甲子園とそういう距離感でいる人もいっぱいいるはずだ。

 試合に出た選手だけでなく、裏方で、スタンドの応援で、いろんな立場の球児たちがいる。彼らの悔しさは社会に出た時に必ず生きてくる。高校野球ってそういうものなんだと思う。人の人生に熱いものを与える。この夏もそういう大会になると信じている。

 煩悩の数と同じ第108回大会。1915年の第1回大会から球児たちの「熱さ」が人々の煩悩を吹き飛ばしてきた。ボールの縫い目の数も108だ。第1回大会から一つ一つ縫い目を入れてきて、今大会で一つのボールになる。この夏、歴史を刻んできたボールが高校野球はどうあるべきかを示してくれると信じている。(北海道日本ハムファイターズCBO)

 ▽箕島―星稜の延長18回の激闘 79年夏の甲子園3回戦で対戦。箕島・石井、星稜・堅田の投げ合いで延長戦に入り、星稜が1点勝ち越した12回、箕島は2死から嶋田が同点アーチ。再び星稜が勝ち越した16回も箕島は2死走者なしから森川がファウルフライを打ち上げるも、一塁手が転倒して落球。直後に森川のアーチで再び同点に。18回に箕島・上野がサヨナラ打を放った。3時間50分の激闘に、阿久悠氏は「甲子園の詩」で「最高試合」と評し両校の健闘を称えた。

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