阪神・工藤泰成 9回あと1球から逆転され涙 ベンチで1分半動けず「このことは絶対に忘れないように」

[ 2026年10月18日 07:00 ]

セ・リーグCSファイナルS第4戦   阪神5─8DeNA ( 2026年10月17日    甲子園 )

セCSファイナル<神・D(4)>9回、逆転の2点適時打を浴びてぼう然の工藤(撮影・北條 貴史)
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 「あと1球」から逆転された。9回2死二、三塁で、阪神・工藤が打たれた。途中出場の三森に対し、2ストライクから投じた直球は、つり球としては高さが足りなかった。コンパクトに中前へはじき返され、2者が生還。今季最多タイの4万2648人が詰めかけた甲子園が、悲鳴にも似た歓声に包まれた。

 1点リードを守れず、走者を残して降板を告げられた。ベンチに腰を下ろすと、うつむいたまま1分半も動けなかった。試合後、胸の内を明かした。

 「巻き戻したくても巻き戻せないので。このことは絶対に忘れないように。今後に生かしていくしかない。今日のことは、絶対に忘れないと思います」

 涙が頬を伝う。言葉も詰まらせた。だが、敗戦の責任を163キロ右腕だけに求めるのは酷だ。8回、1点差に迫られ、なおも無死一、二塁で登板。井上朋、筒香を連続三振に仕留めるなど、一度は火消しに成功した。そこで心身の力を使い果たしたのかもしれない。9回に浴びた逆転打はこの日36球目。「あと1球」で勝利という場面で力尽きた。

 藤川監督は「選手たちは本当に頑張ってくれた。本当にこちらの責任ですね。申し訳ない」と責任を受け止めた。5回から神宮、木下、工藤と回またぎで起用。秘蔵っ子3人を「短期決戦継投」とばかりに、いけるところまで引っ張った。だが、2イニング目に入ると、神宮はピンチを招き、木下と工藤は失点した。継投策は裏目に出てしまった。

 球団初のセ・リーグ2連覇をして臨んだCSは、佐藤輝、森下の負傷が響き、4連敗で幕を閉じた。昨季50試合連続無失点のプロ野球記録を樹立した石井を、故障で欠いて始まった1年。制球難に苦しんだ工藤を守護神にまで引き上げた手腕が光る一方で、救援陣の整備に悔いが残った。

 「形が最後まで苦しかった。何とかその形を直せるようにしなければいけなかった」

 悲願の日本一は来年へ持ち越しとなった。 (倉世古 洋平)

○…阪神がCSファイナルステージを初戦から4連敗で敗退。アドバンテージを持つリーグ優勝チームが初戦から4連敗は14年巨人、19年西武に続く3チーム目で、3位チーム相手に喫したのは初めて。阪神はセ・リーグにCSが導入された07年以降、23、25、26年3度のリーグ優勝で、今回初めて日本シリーズ進出を逃した。

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