【豊臣兄弟 大河絵(豊臣兄弟絵)】第40話 永遠の愛を貫いた悲しき別れ…あさひ&吉成、数正の笑顔に涙

[ 2026年10月25日 17:01 ]

イラストレーターの石井道子氏が描いたNHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」大河絵・第40話 永遠の愛を貫いた悲しき別れ…あさひ&吉成、数正の笑顔に涙
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 俳優の仲野太賀(33)が主演を務めるNHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」(日曜後8・00)は25日、第41話「家康の野望」が放送される。2つの悲しすぎる別れが描かれた先週。あさひ&吉成夫婦、そして石川数正が見せた笑顔に込めた願いを、石井さんが描いた。

 前回の第40話は「あさひの輿入れ」。数正(迫田孝也)が豊臣方へ出奔し、徳川家中は騒然。豊臣との戦は不可能と思われたが、家康(松下洸平)が諦める様子はない。秀長(仲野太賀)ももはや手立てがなく、秀吉(池松壮亮)が挙兵を決めた矢先、大地震が発生する。大坂・浜松ともに大きな被害を受け、両者は和睦の道を探ることに。だが家康は和睦にあたり、秀吉の身内を妻として差し出すよう要求してくる。豊臣家から輿入れできるのはあさひ(倉沢杏菜)だけで…という展開だった。

 これまで何度も、あさひと夫・副田吉成(前原瑞樹)の仲睦まじい夫婦の姿が描かれきた今作。先週にもあった“イチャイチャ”、そして大地震後に里芋をおいしそうに頬張る2人。その“フリ”が一層、視聴者の胸を締め付けた。

 豊臣家の“弱点”を突いた家康による“難題”は、於義伊(立花利仁)を差し出した代わりに「お身内の方を妻として迎え入れたい」。あさひしかいない…。秀吉と秀長は、仲の良い2人を引き裂かなければいけないことに顔をしかめる。そのつらい役目を秀長が引き受けようとするが、秀吉は覚悟を決め自らの口で伝えると言った。

 あさひと吉成への感謝を切々と語り、頭を下げ説得。だが、吉成が断ると「では致し方ない。副田甚兵衛尉吉成。あさひと離縁の上、但馬への転封を命じる。これは関白としての命である!逆らうならば、厳罰に処す」と関白として非情な命を下した。

 2人は夜逃げを決行。門を出ようとした瞬間、あさひは立ち止まり「やっぱり行けない。私は…」。そこへ秀長や福島正則(松崎優輝)らが現れる。密告があった。

 吉成は、あさひをにらみ「おまえか!他に誰がおるんじゃ。この裏切り者が!どうも様子がおかしいと思ったんじゃ。最初からわしを売るつもりだったのであろう。真は、家康に嫁ぎたかったのではないか。図星か。家康の妻ともなれば、わしなどとは段違いじゃからの。欲に目がくらんだか。おまえなどこっちからお断りじゃ。二度とその面をわしに見せるでない。離縁してくれるわ!」と突き放した。

 だが、秀長は吉成の真意を感じ取っていた。「あのような悪態をついて、あさひを諦めさせようとしたのであろう」

 秀吉と秀長の前に再び現れた吉成の表情は、柔らかな笑みを浮かべていた。そして、あさひが長い間抱えてきた苦悩を伝えた。

 「ずっと、一緒に生きてきたからの。あさひが何を思うておるかぐらい、すぐに分かりまする。あやつは、ずっと苦しんでおったのじゃ。己は、何の役にも立てないと。子もできぬし、戦にも行けぬ。字は下手だし、銭勘定にも暗い。だからせめていつも笑って、皆を少しでも明るくしたいと。それで十分なのに。あさひはもっと役に立ちたいと。だから此度の話を聞いて、迷うたのじゃろう。いや、真なら、すぐにでも引き受けたいと思うたはずじゃ。なのに、わしなんぞに無駄に気を使いよって。藤吉郎殿、小一郎殿、あさひを真、豊臣の天下を支える一人にしてやってくだされ!」

 優しい眼差しで、涙を流しながら願いを口にする姿は、関白と家臣ではなく、ともに貧しい時代から歩んできた仲間同士のものだった。吉成自身は「わしは出家いたしまする」と宣言。困惑する2人だったが、揺るがぬ友の思いをくみ取り、最大の敬意を示した。

 秀吉「副田甚兵衛尉吉成、大儀!」

 一方、出立前のあさひは、吉成の姿が水たまりに映り、庭の木陰に隠れていることに気づく。秀長らが計らい、別れを告げる機会をつくった。

 あさひは、精いっぱいの笑顔で誰もいない庭に向かって言葉を紡ぐ。「(吉成は自分と離縁し)きっと、どこかにコソコソ隠れて女子(おなご)のことでものぞき見してるんじゃない?ずっと一緒にいたんだから、相手のことが分かるのは、お互い様よ。もしどこかであの人に会ったら伝えて。ありがとうって。誰よりも私を分かってくれて、背中を押してくれた。本当のことを言うと、徳川殿に嫁ぐのは、少し怖いけど。でも、私も、私にしかできないことを、存分にやってみようと思う。そう思えたのは、あんたのおかげだって。行ってきます、そう伝えて」

 浜松城に着いたあさひは、自身も人質の経験があることもある家康から優しい言葉を投げかけられる。「よう参られた。これからは、ここがあなたの住まいじゃ。ここ浜松には、うまいものがたんとございまする」。すると、あさひは「まず里芋をいただきたい。はい。ただの里芋が一番じゃ!」と、とびっきりの笑顔を見せた。

 別れの自宅の庭、そして浜松城の庭にも咲いていた桔梗の花。その花言葉は「永遠の愛」――。あさひと吉成、そして家康が未来に天下を獲ることを願った数正。「永遠の愛」を貫くが故の2つの悲しすぎる別れは、多くの視聴者の涙を誘った。

 ◇石井 道子(いしい・みちこ)絵描き。千葉県生まれ。清野菜名と松下奈緒がダブル主演を務めたテレビ朝日の昼帯ドラマ「トットちゃん!」(2017年10月期)劇中画を手掛ける。「ALL OF SHOHEI 2023 大谷翔平写真集」「スポニチ URAWA REDS 2023 浦和レッズ特集号」(スポーツニッポン新聞社)などにイラストを掲載。スポニチアネックスでの大河絵連載は「鎌倉殿の13人」(2022年)から始まり5年目。

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